【ブラジル】筋萎縮性側索硬化症を適応症としてRadicavaの点滴静注製剤を上市
田辺三菱製薬株式会社は2月27日、ブラジルにおけるRadicava(一般名:エダラボン、日本製品名:ラジカット注30mg、以下Radicava)の点滴静注製剤を筋萎縮性側索硬化症(ALS)の適応症で、2024年2月29日付で上市すると発表しました。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動神経が選択的に変性・消失し、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々にやせて力がなくなっていく原因不明の神経変性疾患です。発病率は人種や民族的背景に関連なく、年間に10万人に2人程度とされていますが、ブラジルでは10万人に65人未満とみられています。
Radicavaは、田辺三菱製薬が創製したフリーラジカル消去剤です。脳虚血に伴い発生するフリーラジカルを消去し、脂質過酸化反応を抑制し、虚血領域、あるいはその周囲の神経細胞を保護する作用を有します。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態で上昇するフリーラジカルを消去して運動神経を酸化ストレスから保護し、筋力低下、筋萎縮の進行を遅らせる効果を有すると考えられています。
田辺三菱製薬株式会社は「今般のブラジルなど自社拠点のない国・地域においては、現地に強みのあるパートナーとのライセンス提携により、本剤を展開していきます」と述べています。
なお、日本においては、2015年6月に「ALSにおける機能障害の進行抑制」を効能効果として承認を取得しています。また、韓国、米国、カナダ、スイス、インドネシア、タイやマレーシアでも承認を得ており、田辺三菱製薬の子会社を通じて販売しています。