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真性多血症(PV)の治療薬候補rusfertideの全世界でのライセンスおよび提携契約を締結

武田薬品工業株式会社は2月1日、天然型ホルモンヘプシジンの注射用ヘプシジンミメティクスペプチドであり、現在ピボタル臨床第3相試験(VERIFY試験)が進行中である真性多血症(PV)の治療薬候補としてのrusfertideの開発・商業化に関する全世界でのライセンスおよび提携契約をProtagonist Therapeutics社と2024年1月31日付で締結したと発表しました。

真性多血症(PV)は、骨髄増殖性腫瘍のひとつで、赤血球の過剰産生を特徴とする希少疾患です。主な症状は、赤血球数の増加と鉄欠乏症であり、患者さんは心臓発作や脳卒中などの心血管や血栓性イベントのリスクが高くなります。また、疲労や錯乱などの症状がみられる場合もあり、患者さんの生活の質(QOL)に影響を及ぼすことがよくあります。

rusfertide は、Protagonist Therapeutics社のペプチド技術プラットフォームを通じて発見された薬剤であり、鉄の恒常性を調節し、体内の鉄の吸収、貯蔵、分散を制御すると考えられています。

真性多血症におけるrusfertideの第2相REVIVE試験の無作為化部分は、主要評価項目を達成しました。2年間の非盲検延長試験による長期追跡データでは、安全性について、持続的なヘマトクリット制御、瀉血使用の減少、長期忍容性が示され、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

米国の規制当局への申請後、武田薬品社はrusfertideの商業化を主導し、Protagonist Therapeutics社は米国において共同で情報提供活動を行うオプションを有することになります。また、同契約に基づき、Protagonist Therapeutics社は50:50のプロフィットシェアからオプトアウトする権利を有します。その場合、 Protagonist Therapeutics社はオプトアウトに伴う対価と増額されたマイルストンおよびロイヤリティを受領する権利を有します。武田薬品社は、いずれの場合においても米国外の完全な権利を維持します。

武田薬品工業株式会社の U.S. ビジネスユニットのプレジデントおよびU.S.カントリーヘッドであるジュリー・キム氏は「Protagonist Therapeutics社との契約は、希少疾患分野の開発後期段階の資産を取得し、既存のインフラと専門知識を活用するという当社の戦略における重要な一歩です。この契約は、同社の科学における強みと当社の市場へのリーチと希少疾患への理解を組み合わせ、そして最も重要なこととして、疾患とともに生きる患者さんをサポートすることへの注力を示したものです。希少疾患と血液疾患に対する70年以上の革新とコミットメントを生かし、真性多血症の患者さんにファースト・イン・クラスの治療法を提供することで、重要なニーズに対応できることを期待しています。rusfertideが登録臨床プログラムを完了するにあたり、Protagonist Therapeutics社と緊密に協力できることを楽しみにしています」と述べています。

出典
武田薬品工業株式会社 プレスリリース

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