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【米国】エンタイビオの皮下注射製剤、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の維持療法に関する承認をFDAより取得

武田薬品工業株式会社は9月28日、エンタイビオ点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する維持療法として、エンタイビオ(一般名:ベドリズマブ、以下エンタイビオ)皮下注射製剤が、米国食品医薬品局(FDA)によって、9月27日付で承認されたと発表しました。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる炎症性腸疾患です。腹部不快感および出血を含む軟便などの症状が現れ、再熱と寛解を繰り返すことが特徴です。発症の原因については明らかになっていませんが、研究では、環境的要因、遺伝的特徴および腸内細菌叢の相互作用が発現の一因であると示唆されています。

エンタイビオの新たな投与経路の承認は、VISIBLE1試験(SC UC試験)に基づくものです。VISIBLE1試験は、治療開始時点(0週)および2週時点に非盲検下にて導入療法としてベドリズマブの点滴静注製剤を2回投与後、6週時点で臨床的改善が得られた中等症から重症の潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象に、エンタイビオ皮下投与製剤の維持療法としての安全性および有効性を評価した試験です。

同試験の結果、52週時点における臨床的寛解率は、エンタイビオ皮下注射製剤を維持療法として2週間ごとに投与した群では46%、プラセボ投与群では14%であり、エンタイビオ皮下注射製剤投与群が統計学的に有意に高い結果を示しました。また、エンタイビオ皮下注射製剤の安全性プロファイルは、点滴静注製剤の既知の安全性プロファイルと一致していました。

武田薬品のU.S.メディカルのシニアヴァイスプレジデントであり、米国消化器系疾患のヘッドであるBrandon Monk氏は「エンタイビオ皮下注射製剤のFDAによる承認により、患者さんや医師の皆さんは、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する維持療法において2つの投与選択肢を手にしました。生涯にわたる治療体験における様々なメディカルニーズ、状況および治療の好みに対応するため、当社は潰瘍性大腸炎に苦しむ患者さんのために全力で取り組んでいます。エンタイビオは、潰瘍性大腸炎の維持療法として点滴静注製剤と皮下注射製剤のいずれかの選択肢を提供する、FDAが承認した唯一の生物学的製剤です」と述べています。

なお、エンタイビオは、米国において、単回投与用プレフィルドペン製剤(ENTYVIO Pen)として10月末までに販売開始が見込まれています。さらに、中等症から重症の活動期クローン病の成人患者さんの治療薬として、エンタイビオ皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請(BLA)も、米国食品医薬品局(FDA)により審査中です。

出典
武田薬品工業株式会社 プレスリリース

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