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クロバリマブが発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療薬としてFDAが生物学的製剤承認申請を受理

中外製薬株式会社は9月6日、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療薬として開発中の新規抗補体C5リサイクリング抗体クロバリマブの生物学的製剤承認申請(BLA)を米国食品医薬品局(FDA)が受理したと発表しました。

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、PIG-A遺伝子に後天的に変異が生じた造血幹細胞がクローン性に拡大することにより発症する造血幹細胞疾患であり、世界で約2万人が罹患しています。ヘモグロビン尿や血栓症などの溶血に起因する症状や、顔色不良、息切れ、動悸などの再生不良性貧血と同様の症状が見られます。

クロバリマブは、中外製薬のリサイクリング抗体技術により抗体を繰り返し抗原に結合するよう改変した新規C5阻害剤であり、低用量で持続的な補体阻害が可能となり、4週ごとの皮下投与を実現しています。日本、中国、欧米では国際共同試験の結果を受けて、すでに承認を取得しています。

今回の生物学的製剤承認申請は、補体阻害剤による治療歴のない発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を対象としたCOMMODORE2試験の成績に基づいたものです。同試験では、維持期においてクロバリマブを4週間ごとに皮下投与した場合、標準治療薬のエクリズマブを2週間ごとに静脈内投与する場合に対し病勢コントロールに関する非劣性が確認されました。安全性においても、両薬剤間で同等でした 。 また、クロバリマブの一貫したベネフィット・リスクプロファイルを示した第III相COMMODORE 1試験の結果も、申請を支持するデータとして提出されました。

今回の生物学的製剤承認申請を取得すると、クロバリマブは米国の発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)患者さんに対し、在宅での自己投与が可能な初めての4週ごとの皮下投与による治療薬となるといいます。

代表取締役社長CEOの奥田修氏は「当社の強みである抗体エンジニアリング技術を駆使して創製されたクロバリマブの承認申請が、日本、中国、欧州に加えて米国においても受理されたことを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「クロバリマブは、在宅での自己投与が可能な4週ごとの皮下投与による治療薬となることを目指しています。長期に亘る治療を要するPNHにおいて、患者さんや介護者の方々のニーズにより柔軟に対応できる治療選択肢が増えることは大きな意義があります。世界各国のPNH患者さんに本剤をお役立ていただけるよう、ロシュと連携のうえ邁進してまいります」と語っています。

クロバリマブは現在、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)およびその他の補体関連疾患に対する、5つの第III相試験と、より早期段階の3つの臨床試験を含め、広範な臨床開発プログラムが行われています。

出典
中外製薬株式会社 プレスリリース

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