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特発性肺線維症における適切な栄養評価と栄養障害の改善が予後との関連を示唆

浜松医科大学は5月26日、特発性肺線維症(IPF)の患者さんのうち約40%の患者さんで栄養障害が見られること、栄養障害の存在が抗線維化薬中止のリスクとなること、予後とも関連することを明らかにしました。

間質性肺炎は、さまざまな原因から肺胞の壁に炎症や損傷が起こり、肺胞の壁が厚く硬くなることにより、酸素を取り込みにくくなる疾患です。原因不明の間質性肺炎の中で、特発性肺線維症(IPF)は発症頻度が最も高いといわれています。とくに痩せている特発性肺線維症(IPF)の患者さんは、抗線維化薬による胃腸障害がおこりやすく、抗線維化薬によってさらに痩せてしまうことが懸念されます。

今回の研究では、突発性肺線維症(IPF)と診断された患者さんにおける抗線維化薬開始時のデータを使用し、Geriatric Nutritional Risk Index(GNRI)という栄養指標を用いて、特発性肺線維症(IPF)の患者さんの栄養状態の評価を行いました。

特発性肺線維症(IPF)の患者さん301人の栄養状態の評価した結果、113人(37.5%)に栄養障害が認められました。また、栄養不良がある場合、副作用による抗線維化薬の中止率が高く、また予後とも関連することが明らかになりました。

今回の研究成果により、抗線維化薬の治療を行う特発性肺線維症(IPF)の患者さんにおいて、栄養評価が重要なことが示されました。つまり、「痩せない」ということが、抗線維化薬の副作用軽減や継続率の改善につながり、疾患の進行抑制にも関連する可能性が示唆されました。「痩せない」ためには、適切な栄養評価と栄養不良の改善を目指すことが非常に重要だと考えられました。

なお、同研究の成果は、アジア太平洋呼吸器学会誌「Respirology」に5月24日付で公表されました。

出典
浜松医科大学 プレスリリース

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