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【米国】先天性血栓性血小板減少性紫斑病に対する酵素補充療法としてのTAK-755、FDAが承認申請を受理

武田薬品工業株式会社は5月16日、ADAMTS13欠乏性疾患の先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対する酵素補充療法としてのTAK-755について、米国食品医薬品局(FDA)により生物学的製剤承認申請(BLA)が受理されたと発表しました。現在、TAK-755の申請は優先審査指定を受けているそうです。

TAK-755は、米国食品医薬品局(FDA)より先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対する希少小児疾患(RPD)指定も受けています。TAK-755が承認されれば、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対する初めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)補充療法薬となります。

先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)は、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)のうち遺伝子変異が引き起こす極めてまれな疾患で、ADAMTS13プロテアーゼの欠乏により、慢性かつ消耗性の血液凝固障害を引き起こします。治療をせずに経過した場合、急性の血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の死亡率は90%を超えます。

武田薬品工業の希少遺伝子疾患および血液疾患領域ヘッドであるダニエル・カラン氏は、プレスリリースにて「生命を脅かす極めてまれな疾患であるcTTPには承認された予防的治療法がなく、患者さんの治療選択肢には重大なニーズがあります。TAK-755は、臨床開発が行われている最初で唯一の、ADAMTS13を標的として補充する治療法であり、疾患の根本的原因に対応するものです。希望が持てるデータが継続して示されており、この治療法を患者さんにお届けすることを目標として、米国FDAや各国の規制当局との緊密な連携を続けています」と述べています。

今回の申請は、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)を対象とした初の無作為化対照試験から得られた有効性や安全性などのデータから示される包括的エビデンスおよび継続試験から得られた長期の安全性と有効性のデータに基づくものです。

先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)患者さんを対象に実施された臨床第3相試験をの中間解析の結果、TAK-755が対照群である血漿療法と比較して、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)の重要な疾患活動性マーカーである血小板減少症事象の発現率を60%(95%信頼区間:30%~70%)低減させることができました。また、治療と関連性がある有害事象の発現率は、TAK-755が投与された被験者で8.9%であり、血漿療法を受けている被験者の47.7%に対して低率でした。

なお、臨床第3相試験の中間解析は、今後の学会で発表する予定です。

出典
武田薬品工業株式会社 プレスリリース

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