【米国】パーキンソン病治療に関するiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いた医師主導治験を開始
住友ファーマ株式会社、国立大学法人京都大学iPS細胞研究所(CiRA)と公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団は12月26日、カリフォルニア大学サンディエゴ校のSanford Stem Cell Institute CIRM Alpha Clinicが、iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験のIND(Investigational New Drug Application)を2023年10月に米国食品医薬品局(FDA)に申請し、今回FDAによる30日調査が完了し、同治験を開始する準備が整ったと発表しました。
パーキンソン病は、脳内のドパミン神経細胞の変性・脱落に伴い線条体のドパミン含量が著明に減少することにより、手足の震え、筋固縮、動作緩慢、バランスがとれないなどといった症状が現れる慢性進行性の神経変性疾患です。
今回の医師主導治験は、iPS財団がiPS細胞ストックプロジェクトで提供しているiPS細胞(QHJIドナー由来)を使用し、住友ファーマがドパミン神経前駆細胞を国内で製造した製品(開発コード:CT1-DAP001)をUC San Diegoに提供し、単施設にて実施される予定です。主要評価項目として安全性、副次評価項目として運動症状などが検証されます。その結果は、今後の米国での同治験開発のために利用する予定です。
なお、国内では、2018年より京都大学医学部附属病院が、同治療法の安全性と効果を確認するために、医師主導治験を実施しています。
住友ファーマとCiRAとiPS財団 はリリースにて「再生・細胞医薬分野の技術・ノウハウを一日も早く世界中の患者さんにお届けするために、住友ファーマ、CiRA、iPS財団が連携して本治療の実用化に向けて取り組んでいます。海外での実用化を目指し、本治験と並行して、住友ファーマによる企業治験の早期開始に向けた準備も進められています」と述べています。