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【欧州】活動性のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎の成人患者の経口治療薬としてウパダシチニブを承認

米アッヴィ社は7月29日、C-反応性蛋白(CRP)の高値または磁気共鳴画像(MRI)により客観的な炎症の徴候が認められ、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で効果不十分であった活動性のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)および強直性脊椎炎(AS)の成人患者さんの経口治療薬として、欧州委員会(EC)がウパダシチニブ(15 mg、1日1回投与)を承認したと発表しました。

体軸性脊椎関節炎(axSpA)は、背骨や骨盤に慢性的な炎症が見られる疾患で、強直性脊椎炎と、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎に分けられます。

今回の承認は、体軸性脊椎関節炎の患者さんを対象とした第III相SELECT-AXIS2試験の結果に基づくもの。14週時に国際脊椎関節炎評価会基準でベースラインから40%の改善を達成した患者さんの割合は、プラセボ群と比較して、ウパダシチニブ15mg群において有意に高いことを示しています。安全性データにおいても、新たな安全性リスクは報告されませんでした。14週目までに有害事象が発現した患者さんの割合は、ウパダシチニブ群41%、プラセボ群37%となり、両投与群で類似した結果となったそうです。

アッヴィ社のsenior vice president of research and development兼chief scientific officerであるThomas Hudson, M.D.はプレスリリースにて「体軸性脊椎関節炎は背部痛やこわばり、そして脊椎への不可逆的な損傷を引き起こし得る疾患で、長年にわたり医療従事者や患者さんの治療選択肢は限られてきました。アッヴィは、客観的な炎症の徴候が認められNSAIDsで効果不十分であったnr-axSpAの成人患者さんに向けて、今回EUにて承認されたウパダシチニブをファースト・イン・クラスの治療選択肢としてご提供できることを誇らしく思います。ウパダシチニブは、nr-axSpAおよびASを含むaxSpA患者さんの治療薬として承認された最初かつ唯一のJAK阻害薬となります」と述べています。

SELECT-AXIS2試験の治験責任医師で、ベルギー・ゲント大学病院リウマチ学科(the Department of Rheumatology at the University Hospital of Ghent University)教授でもある Filip Van den Bosch,M.D.は、「欧州委員会によるnr-axSpA治療におけるウパダシチニブの承認により、nr-axSpAおよびAS患者群で有効性が示された重要かつ新たな治療選択肢がEUの医師に提供されました。nr-axSpAとともに生きることは、多くの困難を伴い、患者さんの生活の質に重大な影響を及ぼし得ると思われます。活動性nr-axSpAの患者さんにとって、早期の有効な疾患管理は、健康アウトカムを改善するための鍵となります」と述べています。

出典
アッヴィ合同会社 プレスリリース

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