【米国】他家培養胸腺組織RETHYMIC(リサイミック)、小児先天性無胸腺症の免疫再構築の適応で承認取得
大日本住友製薬株式会社は10月11日、同社の連結子会社である米エンジバント・セラピューティクス・リミテッドが同月8日に他家培養胸腺組織である「RETHYMIC(R)(リサイミック)」について、小児先天性無胸腺症の免疫再構築を適応症として承認を米国食品医薬品局(FDA)から取得したと発表しました。
小児先天性無胸腺症は、米国における毎年の推定患者数が約17~24人と推測されている極めて希な疾患です。小児先天性無胸腺症は、生まれつき胸腺が欠損しており、深刻な免疫不全、生命を脅かす免疫調節不全や易感染性が起こります。これまで小児先天性無胸腺症の治療は、支持療法しかなく、通常、2歳または3歳までに亡くなります。
リサイミック(他家培養胸腺組織)は、小児先天性無胸腺症の免疫再構築を適応症とした生涯に1回の革新的な組織移植による再生医療に用いられます。小児先天性無胸腺症患者の胸腺機能を再生するように設計・処理されたヒト胸腺組織で、提供者と被移植者のマッチングが不要といいます。
同剤の臨床試験の治験責任医師であり、米国デューク大学医学部小児科および免疫学の教授であるルイーズ・マーカート医師はプレスリリースにて、「本剤は、以前はほとんど希望が持てなかった患者さんの生存期間を延長させることを目的とした 25 年以上の研究の成果です。私たちは、生命の危機にある小児先天性無胸腺症の患者さんが、FDA が承認した治療法によって生存できるように、日々の研究プログラムに意欲的に取り組んできました」と述べています。