人工ペプチド「レダセムチド」、慢性肝疾患に対する線維化の改善と再生促進を目指し医師主導治験が開始
新潟大学の研究グループは、日本初の人工ペプチド「レダセムチド(開発コード:S-005151)」について、慢性肝疾患・肝硬変患者に対する医師主導治験(第Ⅱ相試験)を塩野義製薬と共同で開始すると発表しました。
慢性肝疾患はB型肝炎、C型肝炎、脂肪肝、アルコールなどの影響で長期に肝臓が障害され、徐々に線維化し機能が低下していく疾患で、肝硬変にも繋がります。死に至る場合もあることから治療法の開発が待たれています。過去の研究により大阪大学の研究グループおよびステムリム社は共同で、肝硬変の疾患モデルマウスに対するレダセムチドの高い治療効果を示しました。そこでステムリム社、塩野義製薬、および新潟大学医歯学総合病院に本年度より医師主導治験を開始することになりました。
本治験はB型肝炎、C型肝炎、脂肪肝、およびアルコールなどが原因となった慢性肝疾患患者のうち、一定以上の肝硬度と肝機能の低下が確認された患者が対象です。12月より患者の登録が開始され、本年度中に製剤が投薬開始される予定です。肝線維症に対する治療法は現在までなく、本治験の結果は線維化を伴う慢性肝炎・肝硬変に対する新たな治療選択肢になり得ると期待されています。
出典元
新潟大学 トピックス