サトラリズマブ、視神経脊髄炎スペクトラム障害に対する第Ⅲ相国際共同治験の結果がLancet Neurologyに
中外製薬株式会社は、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)を対象とした第Ⅲ相国際共同治験であるSAkuraStar試験について、ヒト化抗IL-6レセプターリサイクリング抗体サトラリズマブ(開発コード:SA237)単剤投与の有効性および安全性を評価したポジティブな結果がLancet Neurologyに掲載されたことを発表しました。
サトラリズマブ単剤投与により再発リスクが減少
SAkuraStar試験(NCT02073279)は、NMOSD患者を対象に、サトラリズマブを単剤投与した際の有効性と安全性を評価した試験です。国際共同試験で、プラセボ群と比較し評価します。試験の結果、サトラリズマブの単剤療法はNMOSDに対して再発リスクを有意に減少させることが明らかになりました。さらに、今回の試験は20歳から70歳の男女と幅広い年齢層の患者に対して行われているため、実臨床の場でも多くの成人患者でも有効であることが示唆されています。
症状は患者によって多種多様
NMOSDはその名の通り、視神経と脊髄を中心に炎症が起こる自己免疫疾患です。視力の低下や視野欠損等の視覚障害のほか、運動機能も障害されることがあり、患者によって起こる症状は多種多様です。また、何度も症状が再発する特徴があります。女性に多く発症することが分かっており、30歳ごろに発症のピークがあります。サトラリズマブは、NMOSDの発症に関連すると考えられているIL-6と呼ばれるタンパク質の働きを阻害します。既に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けており、2019年には承認申請が行われています。
出典元
中外製薬ニュースリリース