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ハンチントン病に対する初めての疾患修飾薬、希少疾病用医薬品に指定

中外製薬株式会社はハンチントン病を予定適応症として開発中のRG6042(開発コード) について、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けたことを発表しました。RG6042は、ハンチントン病の原因遺伝子から産生される変異型ハンチンチンタンパク質の産生抑制が期待されます。

今回の指定について、上席執行役員 プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康氏は以下のようにコメントしています。

ハンチントン病は指定難病であり、対症療法しかなく、新たな治療薬を必要とするアンメットメディカルニーズの高い遺伝性疾患です。RG6042を初の疾患修飾薬としてハンチントン病の患者さんへお届けできるよう、現在実施中の臨床試験をロシュ社と協力して進めてまいります。

https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20200217171500_948.html

ハンチントン病は自分の意思に反した不随意運動(舞踏運動)を特徴的な症状とし、その他に精神症状、行動異常、認知障害などがみられる神経変性疾患です。国内の調査では10万人あたり0.7人の患者さんがいると推定されています。発症に男女差はほとんどなく、30歳くらいで発病する患者さんが多いとされています。また、常染色体優性遺伝をとることが明らかになっています。

希少疾病用医薬品とは、患者数の少なさ、症状の重篤さ、医療上の必要性など、いくつか条件に合致する医薬品に対し、医薬品医療機器等法に基づき厚生労働大臣から希少疾病用医薬品として指定を受け、優先的に審査される制度です。対象となる疾患に対し開発中の医薬品を使用する理論的根拠があるとともに、その開発に関する計画が妥当であると認められることが必要です。

RG6042について

RG6042は、以前はIONIS-HTTRxと呼ばれていました。ハンチンチンメッセンジャーリボ核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドで、ハンチントン病の原因と考えられる変異型ハンチンチンタンパク質を産生抑制するよう設計されています。 現在、第III相国際共同治験が実施中です。
アンチセンスオリゴヌクレオチドとは、標的となる遺伝子配列と相補的な配列を持つ一本鎖DNAやRNAのことを言います。RNAの相補的な領域に結合することで、タンパク質への発現を抑制するはたらきを持ちます。

出典元
中外製薬ニュースリリース
難病情報センター(ハンチントン病)

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