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【東北大学】世界初、カルパイン阻害薬による網膜中心動脈閉塞症 医師主導治験開始 -網膜神経保護治療の確立へ-

網膜中心動脈閉塞症(以下CRAO)は、心筋梗塞や脳梗塞のように網膜の動脈が詰まって血液が流れなくなり、網膜神経節細胞が障害されて急速に不可逆的な重度の視力低下を起こします。現在は科学的に効果が認められた治療法は存在せず、発症後早期に神経細胞を保護することが重要と考えられています。

動脈が詰まった時や血液の流れが改善した時、網膜神経節細胞内のカルシウム濃度が異常に上昇してタンパク質分解酵素であるカルパインが過剰に活性化し、網膜神経節細胞の細胞死が誘導されます。カルパイン阻害剤は活性化したカルパインの活性中心に入り酵素活性を阻害し細胞死を抑制します。

眼科学分野の中澤 徹教授、津田 聡助教らの研究グループは、重度の視力低下を起こすCRAOに対し、世界で初めてカルパイン阻害剤を網膜神経保護薬として使用する医師主導治験を2019年12月より実施します。

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