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あるふぁーわんあんちとりぷしんけっそんしょう
α1-アンチトリプシン欠損症α1-antitrypsin deficiency

指定難病231

他に、α1-アンチトリプシン欠乏症もあります。

小児慢性疾患分類

疾患群8
先天性代謝異常
大分類14
α1-アンチトリプシン欠損症
細分類138
α1-アンチトリプシン欠損症

α1-アンチトリプシン欠乏症
AAT欠乏症
AAT欠損症

病気・治療解説

指定難病231のα1-アンチトリプシン欠損症(AAT欠乏症)は、血液中のα1-アンチトリプシン(AAT)が欠乏することで若年で肺気腫が生じ、 呼吸困難や咳・痰といった症状が現れる慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症する疾患です。気管支拡張症、肝臓の障害、皮下脂肪織炎などが発症することもあります。

α1-アンチトリプシン欠損症は、日本での有病率は著しく低く、日本呼吸器学会らの全国調査では、1,000万人あたり2.03–2.08人の患者さんがいると推定されています。一方、欧米では約5,000人に1人の頻度とされています。

α1-アンチトリプシン欠損症の原因は、遺伝的素因によって血液中のα1-アンチトリプシン(AAT)が欠乏することとされています。AATが減少すると、タンパク質分解酵素により肺胞を構成する主要な結合組織が破壊されて、肺気腫病変の形成にいたると考えられています。また、劣性遺伝すると言われており、原因遺伝子の変異の仕方によっても血中のAAT欠乏の程度が異なると報告されています。なお、発症者の多くは喫煙者であり、喫煙も病状に関係していると考えられています。

α1-アンチトリプシン欠損症の治療法としては、タバコ煙や有害粒子の吸入曝露をしないことが重要です。COPDを発症している場合には、感染予防、運動療法や栄養療法を行い、病気の程度によって、気管支拡張剤などの薬物療法、酸素療法、補助換気療法、外科療法などが選択されます。重症の場合は、肺移植も選択肢になります。2021年7月からは、AAT製剤を毎週1回点滴静注する補充療法が保険適応になり、重症のAATD患者さんでCOPDや気流閉塞を伴う肺気腫などの肺疾患を発症している場合、投与が可能です。

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