しんしつさいどう心室細動Ventricular fibrillation
小児慢性疾患分類
- 疾患群4
- 慢性心疾患
- 大分類10
- 心室細動
- 細分類14
- 心室細動
病気・治療解説
概要
心室が無秩序に興奮している状態で、心電図では基線の細かい揺れとして記録される。持続すれば死亡する。広義にはQT延長症候群、Brugada症候群、カテコラミン誘発多形性心室頻拍、QT短縮症候群も含めるが、特発性心室細動はこれらを除いた心室細動で、近年注目されている、J波症候群(早期再分極症候群)がその範疇に入る。頻拍の予防はアミオダロン内服、及びICD植込みである。予後不良の疾患ではあるが、はっきりした予後は未だ不明である。
病因
J波症候群では右に示す表にあるような遺伝子異常が報告されている。それ以外の心室細動は、各項目を参照されたい。
疫学
遺伝性致死性不整脈は、比較的まれである。特に、J波症候群(早期再分極症候群)はまれな疾患である
診断
【心電図】
心電図で細かく、振幅の比較的小さい不規則なQRSを認める。
【診断基準】
J波症候群(早期再分極症候群)は側壁(I, aVL, V4〜V6)または下壁(II, III, aVF)誘導の、2誘導以上で1mm以上の高さのJ波とST上昇を認めるものである。
治療
頻拍の停止:直流通電(DCショック)を行なう。これでも停止しない場合には,ニフェカラント,アミオダロンを第一選択として投与し、再度DCショックを行なう。
頻拍の予防:アミオダロン、及びICD植込み
予後
予後不良の疾患ではあるが、はっきりした予後は未だ不明である
参考文献
1. Haissaguerre M, Derval N, Sacher F, et al.: Sudden cardiac arrest associated with early repolarization. N Engl J Med 358:2016-23, 2008
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
この疾患に関するピックアップ記事、イベントはありません