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うりじるにりんさんがらくとーすよんえぴめらーぜけっそんしょう
ウリジル二リン酸ガラクトース-4-エピメラーゼ欠損症UDP-galactose-4-epimerase deficiency

小児慢性疾患分類

疾患群8
先天性代謝異常
大分類5
糖質代謝異常症
細分類62
ウリジル二リン酸ガラクトース-4-エピメラーゼ欠損症

病気・治療解説

概要

乳糖は乳製品に含まれる主要な糖であり、新生児、乳児期における主要なエネルギー源である。乳糖は小腸上皮でグルコースとガラクトースに分解され吸収されるが、この吸収されたガラクトースは肝細胞にてガラクトキナーゼ(GALK)によりガラクトース-1-リン酸となったのち、ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ(GALT)の触媒で、UDP-グルコースとの転移反応によりUDP-ガラクトースとグルコース-1-リン酸へと代謝される。これにより生成したUDPガラクトースはUDPガラクトース-4-エピメラーゼ(GALE)によりUDP-グルコースへと変換される。ウリジル二リン酸ガラクトース-4-エピメラーゼ欠損症はこの経路が先天的に障害されており、ガラクトース、ガラクトース‐1‐リン酸の蓄積が生じるが、多くは全身症状を示さない部分型で予後良好である1)。

疫学

日本での発生頻度は約1/7万~16万出生2)。

病因

常染色体劣性遺伝形式を示す先天代謝異常症の一種である。

症状

酵素欠損が赤血球や白血球に限られる末梢型と、肝臓を含む他の組織に及ぶ全身型に分類される。全身型はGALT欠損症と同様の症状を示すが非常にまれで、日本人症例は報告されていない3)。末梢型の場合は特に症状を呈さない。

診断

『診断の手引き』参照

治療

全身型はGALT欠損症に準じる。部分型の場合治療は要さないが、新生児マススクリーニングで発見される場合、ガラクトース‐1-リン酸高値を示す症例もあり、20㎎/dl以上が精査時以降も継続する場合は念のため全身型を考慮し乳糖除去を行い、ガラクトース‐1-リン酸の低下やその他全身症状の有無を確認する。この場合は生後6か月以降に乳糖摂取を再開してガラクトース‐1-リン酸の上昇が無いことを確認する。

予後

部分型であれば予後良好
成人期以降
部分型であればフォロー不要とされている。

参考文献

1)Holton JB et al. Galactosemia, In: Scriber CR, et al(eds), The metabolic &molecular bases of inherited disease, McGraw-Hill, New York, 2001; 1807-1820
2)青木菊麿:新生児マススクリーニングで発見された疾患の追跡調査 小児内科1991;23:1887-1891
3) 岡野善行:UDPガラクトース‐4-エピメラーゼ欠損症 別冊日本臨床新領域別症候群シリーズ19 先天代謝異常症候群(第2版)上2012:29-31

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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