さんせんべんきょうさくしょう三尖弁狭窄症Tricuspid valve stenosis
小児慢性疾患分類
- 疾患群4
- 慢性心疾患
- 大分類63
- 心臓弁膜症
- 細分類87
- 三尖弁狭窄症
病気・治療解説
概念
三尖弁の狭窄によって、心房から右心室への血液流入に支障をきたす比較的稀な先天性心疾患。三尖弁尖、腱索、乳頭筋が低形成で、弁輪狭窄をともなうこともある。狭窄の程度に応じて、手術適応を決定する。
病因
先天性
疫学
単独のものは、きわめてまれ。右心低形成に合併することが多い
臨床症状
軽度では無症状だが、重篤となれば心拍出量低下による易疲労感、食欲不振、嘔吐、肝腫大による右上腹部痛などの症状を呈する。
巨大頸静脈a波を認める
診断
聴診にて三尖弁開放音および前収縮期雑音を聴取する。吸気で増強する。
胸部エックス線:右房拡大を認める
心電図:右房拡大所見を認める。
心臓超音波検査:三尖弁のドーム形成と弁口の狭小化を認める。弁肥厚・石灰化などを認めることもある。右室流入血流は加速し、右房は拡大する。
心臓カテーテル検査:右房圧は上昇し、著明なa波を認める。拡張期に右房-右室圧較差を認め、平均圧較差が2mmHgを超えると三尖弁狭窄症と診断される。
右房造影にて右房の拡大を認める
治療
うっ血症状に対しては利尿薬が投与される。重症例では手術介入(弁形成術、弁置換術)が必要となる
予後
三尖弁輪が狭い場合には、治療が困難である。三尖弁に対する手術に加え、Glenn手術を追加せねばならないこともある
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
この疾患に関するピックアップ記事、イベントはありません