ありゅうさんさんかこうそけっそんしょう亜硫酸酸化酵素欠損症sulfite oxidase deficiency
小児慢性疾患分類
- 疾患群8
- 先天性代謝異常
- 大分類8
- 金属代謝異常症
- 細分類111
- 亜硫酸酸化酵素欠損症
病気・治療解説
概要
亜硫酸酸化酵素が欠損することにより、脳内に毒性の強い亜硫酸が大量に蓄積し重篤な脳障害を示し、著明な神経細胞の脱落や大脳白質脱髄、多発性の空洞性病変、グリオーシス、皮質深部の海綿状変性と側脳室の拡大が認められる。常染色体劣性遺伝性疾患である。類縁疾患として、亜硫酸酸化酵素の補酵素であるモリブデン補酵素欠損症がある。
疫学
発症頻度は不明。まれな疾患である。
病因
亜硫酸酸化酵素が欠損することにより、脳内に毒性の強い亜硫酸が大量に蓄積し重篤な脳障害を呈する。
症状
多くの症例では、生後間もなくより難治性けいれん精神運動発達遅滞、筋緊張低下、形成四肢麻痺、哺乳力低下などの重篤な症状を呈する。新生児期を超えて生存する症例では、水晶体脱臼が認められる。
診断
症状から本症を疑った場合は、以下の検査を行う。
1.一般検査:頭部CTおよびMRIで、著明な脱隋、脳室拡大、水頭症、脳の委縮などを認める。血漿アミノ酸分析でタウリンの上昇が確認される。
2.特殊検査
亜硫酸テスト(メルコファクト)により、尿中の亜硫酸の検出が可能である。HPLCで、尿中亜硫酸、チオ硫酸、S-スルホシステインを検出する。
3.遺伝子診断
亜硫酸酸化酵素の遺伝子解析で変異を同定する。
1で本症を疑い、3および4で診断を確定する。
治療
含硫アミノ酸制限食および抗けいれん薬の投与を行うが、多くの症例では効果的ではない。
予後
きわめて不良である。
成人期以降
大部分の症例は小児期に死亡する。
参考文献
早坂 清ら、亜硫酸酸化酵素欠損症 遠藤文夫(編)先天代謝異常ハンドブック第1版、中山書店 2013 268-269
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
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