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すみす・れむり・おぴっつしょうこうぐん
スミス・レムリ・オピッツ症候群Smith-Lemli-Opitz syndrome

小児慢性疾患分類

疾患群13
染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
大分類1
染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
細分類28
スミス・レムリ・オピッツ症候群

病気・治療解説

概要

スミス・レムリ・オピッツ症候群は、コレステロール合成の最終段階である7-デヒドロコレステロール還元酵素をコードするDHCR7遺伝子の変異によってコレステロール産生が低下することにより発症する症候群である。コレステロール産生の低下は細胞膜の構成やステロイドホルモン合成の異常をきたし、全身性の多彩な症状を呈する。特徴的な症状として成長障害、小頭症、知的障害、特徴的顔貌、口蓋裂、外性器異常(男児)、合趾等が見られる。コレステロールから生成される副腎皮質ホルモンや性ホルモンの合成障害のため、二次的な副腎・性腺機能低下があり、補充療法を要する。酵素欠損症によるコレステロール代謝異常症であり、成人後も軽快することはない。

病因

染色体11q13.4に存在するDHCR7遺伝子が原因遺伝子である。この遺伝子の変異によってコレステロール産生が低下することで種々の症状が見られるが、多彩な症状が出現する機序の詳細は不明である。

臨床症状

成長障害、小頭症、知的障害、特徴的顔貌(狭額症、内眼角贅皮、眼瞼下垂、上向きの鼻、小さい鼻、耳介低位等)、口蓋裂、外性器異常(男児)、第2趾と第3趾の合趾症、軸後性多指症等を特徴とする。難治性てんかんや痙攣をはじめとする中枢神経症状、先天性心疾患、喉頭・気道の奇形や換気障害をはじめとする呼吸器症状、腎奇形(水腎症、片腎、尿細管異常等)を伴うことも多い。

治療

高コレステロール食と胆汁酸投与が臨床症状の軽減に有効であるとされるが根本的な治療法は確立していない。呼吸器症状や重度知的障害に伴う中枢性呼吸不全に対して気管切開や人工呼吸器使用を要する場合がある。また、重篤な知的障害により摂食障害を伴うこともあり、非経口的栄養摂取(経管栄養、中心静脈栄養など)を必要とする場合もある。生涯にわたり先天性心疾患、難治性てんかんに対する治療と支援が必要となる。コレステロールから生成される副腎皮質ホルモンや性ホルモンの合成障害のため、二次的な副腎・性腺機能低下があり、補充療法を要する。

予後

知的予後・生命予後は不良であることが多い。生存率の詳細は知られていないが、コレステロール産生能が器官形成と内臓機能維持に影響し、進行性の疾患である。平均余命は内臓機能低下の程度によって大きく影響を受ける。先天性心疾患や難治性てんかんは生命予後に大きな影響を与える。重度精神運動発達遅滞があり、要支援状況が続く。生涯にわたって注意深い治療と経過観察が必要である。酵素欠損症によるコレステロール代謝異常症であり、成人後も軽快することはない。

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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