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しぇーぐれん・らるそんしょうこうぐん
シェーグレン・ラルソン(Sjögren-Larsson)症候群Sjögren-Larsson syndrome

小児慢性疾患分類

疾患群14
皮膚疾患
大分類2
先天性魚鱗癬
細分類6
シェーグレン・ラルソン(Sjögren-Larsson)症候群

病気・治療解説

概念

先天性魚鱗癬に、四肢の痙性麻痺、ならびに精神遅滞を合併する魚鱗癬症候群の1つである[1][2]。

疫学

常染色体劣性遺伝で、罹患率は約10-20万人に1人程度である。

病因

脂肪アルデハイド脱水素酵素(fatty aldehyde dehydrogenase: FALDH)をコードするALDH3A2遺伝子の変異により、組織内に脂肪
アルコールや脂肪アルデヒドなどが蓄積することによる[2]。

症状

先天性魚鱗癬は、先天性魚鱗癬様紅皮症、もしくは黒色表皮腫様の皮疹を呈する。皮疹は、頸部、腹部、間擦部、四肢で顕著となる。
四肢の痙性麻痺を伴い、精神遅滞は高度であることが多い。眼科所見として眼底網膜の光輝性小斑点(glistening dots)がみられ、視力障害もみられる。また、歯牙形成異常もみられる。患者の皮膚由来線維芽細胞のFALDH、またはFAOの活性測定で確定診断が可能である[1]-[3]。

診断

先天性魚鱗癬以外にも、四肢の痙性麻痺、精神発達遅滞が見られる臨床所見から確定診断が可能である[2]。
詳細は小児慢性特定疾患『診断の手引き』を参照のこと。
診断手引きはこちら

治療

先天性魚鱗癬は痒みをともなうため、止痒剤、保湿剤、角質溶解剤などを外用するが、精神、神経症状については専門とする小児科医で診療を受ける必要がある。

参考文献

1)池田志斈:先天性魚鱗癬様紅皮症(CIE)の臨床疫学研究.診断書と調査票の策定. 厚生労働科学研究費補助金. 難治性疾患克
服研究事業(代表研究者 岩月啓氏). 稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究.平成20年度総括・分担研究報告書; 100-102,
2009.
2) 澤村大輔、池田志斈、 鈴木民夫ほか.:皮膚疾患遺伝子診断ガイドライン(第1版). 日皮会誌:122: 561-573,2012.
3)稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究班による2011年最新版.先天性魚鱗癬様紅皮症とその類縁疾患.

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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