かのうせいむきんせいかんせつえん・えそせいのうひしょう・あくねしょうこうぐん化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群pyogenic arthritis,pyoderma gangrenosum,acne cystic syndrome
指定難病269
化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群
PAPA症候群
実施中の治験/臨床試験
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病気・治療解説
概要
常染色体優性の遺伝形式をとる稀な自己 炎症性疾患 です。
病名のとおり、化膿性無菌性関節炎、 壊疽 性膿皮症、アクネ(ざ瘡・にきび)を特徴とする病気です。
罹患数
日本には5名ぐらいですが、文献からは世界で40名程度いるものと思われます。また後で述べますが、PAPA症候群の中でも重い症状や特徴的な症状を呈する病気が、別の名前で知られています。この病気は世界で15名ぐらい居るとされています。
疫学
どの地域に多いとか、男女での比率が異なるなどというデータは今のところありません。患者さんの数はまだ多くないのですが、これから地域差などが明らかになってくるかもしれません。
原因
15q24に位置するPSTPIP1 遺伝子の変異 が原因である事が報告されていますが、詳細な発症機構については解明されていません。PSTPIP1はパイリン(pyrin)に結合する蛋白であり、 変異 によりこの結合が 亢進 する事が知られている為、結合 亢進 により結果的にパイリンの抗 炎症 作用が減弱する事が原因ではないかと考えられています。
遺伝
常染色体優性の遺伝形式をとります。つまり両親のどちらか一方が病気の原因となる遺伝子に 変異 をもつと、50%の確率で性別に関係なく遺伝します。また、両親に変異がなくても子供に変異がみられる場合もあります。
症状
もっとも一般的な症状は、化膿性無菌性関節炎、 壊疽 性膿皮症、アクネです。一度に3つの症状がみられることはあまりありません。通常、化膿性無菌性関節炎から始まり、成長に伴って壊疽性膿皮症とアクネがみられるようになります。また、周期性の発熱もありません。症状の重症度は人によってまちまちです。このほかに、 炎症性 腸疾患や 溶血 性貧血、口内炎などがみられることがあります。
また、遺伝子変異の種類によってPAPA症候群の中でも重い症状や特徴的な症状がみられる病気があり、Hz/Hc (高亜鉛/高カルプロテクチン血症)症候群として知られています。この病気では上記の3つの症状の他に貧血や肝脾腫、リンパ 腺腫 、成長不全などがみられます。
治療法
副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤、抗IL-1製剤や抗TNF製剤の有効例も報告されていますが、ひとによって 反応性 が異なります。
経過
長期投与によるステロイド剤の副作用などの合併症が報告されていますが 生命予後 は比較的良好であるとされています。
患者さんに知って欲しいこと
外傷、日光への過剰な暴露などにより、 炎症 が増強することがあるとされています。けがをしないように、また過度な日焼けをしないように気をつけましょう。また一般的なこととしてストレスや過労が症状を悪化させることがあります。
※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。