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はいどうみゃくべんへいさふぜんしょう
肺動脈弁閉鎖不全症Pulmonary valve regurgitation

小児慢性疾患分類

疾患群4
慢性心疾患
大分類63
心臓弁膜症
細分類92
肺動脈弁閉鎖不全症

病気・治療解説

概要

肺動脈の形成異常により肺動脈から右室へ血液が逆流する先天性心疾患。他疾患に合併、あるいは術後に認めることは多いが、先天的なものはまれである。高度例では手術的治療が行われる。

病因

肺動脈弁に限定した先天性のものはまれ。肺動脈弁の術後に認めることが多い。原因不明の多弁閉鎖不全(多弁膜症:肺動脈弁、三尖弁、大動脈弁)を認めることがある

疫学

孤発例で、先天的なものはまれである

臨床症状

高度では右心不全症状を呈する。肺動脈弁欠損にともなう逆流は新生児期より高度の肺動脈拡張による気道圧迫症状を引き起こす

診断

拡張期雑音および相対的肺動脈弁狭窄による収縮期駆出性雑音を呈する(to and fro 雑音)。
胸部エックス線:主肺動脈拡大、右室拡大を認める。
心電図:右室容量負荷所見を認める。
心臓超音波検査:カラードプラで逆流シグナルを認める。右室拡大、主肺動脈の拡大を認める。
心臓カテーテル検査:肺動脈拡張期血圧は著明に低下し、肺動脈圧波形は右室圧波形に類似するする。肺動脈造影で逆流を認める

治療

高度例では手術的治療が行われる。人工弁置換をおこなうこともある。肺動脈弁欠損に伴う肺動脈弁逆流に対しては新生児期・乳児期早期の手術が必要となることが多い

予後

軽度では良好。重症例、特に肺動脈弁欠損に伴う肺動脈弁閉鎖不全の予後は不良である。右室が高度拡張すると、不可逆的になり、右心室収縮不全、さらに左室拡張障害、左室収縮不全をきたす

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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