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ぷろぴおんさんけつしょう
プロピオン酸血症propionic acidemia

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プロピオン酸血症
軽症プロピオン酸血症

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病気・治療解説

概要

プロピオン酸血症(PA)は、プロピオニオニル CoA カルボキシラーゼの活性低下によって、プロピオン酸をはじめとする有機酸が蓄積し、代謝性アシドーシスに伴う各種の症状を呈する常染色体劣性遺伝形式の先天代謝異常症です。

原因

プロピオニル CoA の代謝に障害を来す原因としては(1)プロピオニオニル CoA カルボキシラーゼ欠損症(2)プロピオニオニル CoA カルボキシラーゼの補酵素であるビオチンの代謝障害、(3)ビオチンと PCCのアポ蛋白の共有結合を触媒する酵素であるホロカルボキシラーゼ合成酵素(HCS)欠損症があります。ビオチン代謝障害、HCS 欠損症はマルチプルカルボキシラーゼ欠損症として発症します。わが国のタンデムマスによる新生児マススクリーニングの成績では発症頻度は約5万人1人と高頻度に発見され、有機酸代謝異常では最も発症率が高いとされています。
この中には軽症プロピオン酸血症と呼ばれる病型が多く含まれることが知られています。酵素活性が正常の 6.9~7.5%程度の Y435C のホモ接合体であり、重篤なケトアシドーシス発作を発症しないと考えられています。生涯ケトアシドーシス発作を起こさないかは不明です。厳しいタンパク制限は不要であるものの、感染症罹患時は早期のブドウ糖輸液などの特別な管理が必要であると考えられています。

症状

新生児期から乳児期にかけて、重度の代謝性アシドーシス、ケトーシス、高アンモニア血症などが出現し、哺乳不良・嘔吐・呼吸障害・筋緊張低下などから嗜眠~昏睡など急性脳症の症状へ進展します。初発時以降も同様の急性増悪を繰り返しやすく、特に感染症罹患などが契機となることが多いです。コントロール困難例では経口摂取不良が続き、身体発育が遅延します。呼吸障害、中枢神経障害、意識障害、けいれん、嘔吐発作、心障害、骨髄抑制、視神経萎縮などを主な症状として認めます。

治療法

診断確定までは、新生児マス・スクリーニング陽性例では、診断確定までの一般的注意として、感染症などによる体調不良・食欲低下時には早めに医療機関を受診するよう指示した上で、必要によりブドウ糖輸液を実施します。診断確定後の治療としては、食事療法として、母乳や一般育児用粉乳にバリン・イソロイシン・メチオニン・スレオニン・グリシン除去ミルク(雪印 S-22)を併用して、タンパク摂取制限(1.5~2.0g/kg/日)を開始します。急性期、急性増悪時には、気管内挿管と人工換気、ブドウ糖を含む輸液、代謝性アシドーシスの補正、水溶性ビタミン投与、高アンモニア血症の薬物療法、血液浄化療法などが必要となります。

経過

早期発症の重症例の予後は不良です。これらの症例を中心として、生体肝移植が試みられています。治療効果に乏しく、高アンモニア血症、代謝性アシドーシス発作を繰り返す症例が適応となります。食欲改善、食事療法緩和、救急受診・入院の大幅な減少など QOL が向上し、基底核梗塞様病変、精神発達遅滞については進行が抑制できるとされています。

※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。