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発作性夜間ヘモグロビン尿症paroxysmal nocturnal hemoglobinuria

指定難病62

小児慢性疾患分類

疾患群9
血液疾患
大分類7
発作性夜間ヘモグロビン尿症
細分類10
発作性夜間ヘモグロビン尿症

発作性夜間ヘモグロビン尿症
臨床的発作性夜間ヘモグロビン尿症
古典的発作性夜間ヘモグロビン尿症
骨髄不全型発作性夜間ヘモグロビン尿症
混合型発作性夜間ヘモグロビン尿症

病気・治療解説

発作性夜間ヘモグロビン尿症(Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria, PNH)は、溶血性貧血の一つで、「発作性夜間血色素尿症」とも呼ばれ、指定難病83に定められています。

2000年に発表された調査によると、日本では100万人あたり約3.6人が罹患していると推定されています​。ほぼ全ての年齢で発症する可能性があり、特に20~60歳代に多いといわれています。また、男女差は認められていません。

この病気の発生には、「PIGA」という遺伝子の後天的な変異と関連しています。PNHでは、赤血球、白血球、血小板などの血液のもととなる「造血幹細胞」の異常が起こります。これにより赤血球が異常に壊れる「溶血」と呼ばれる現象が現れます。

PNHは、特に夜間の睡眠中に溶血が強まることからこの名前が付けられており、尿が赤褐色(コーラ色)に変わることが一般的な症状とされています。その他の症状としては、貧血に伴う立ちくらみ、息切れ、動悸などがあり、さらには腎機能障害、血栓症、肺高血圧症を起こす可能性もあります。

PNHの根治療法としては、遺伝子変異が起こった造血幹細胞の代わりに正常な細胞を移植する「造血幹細胞移植」が必要です。しかし、造血幹細胞移植には副作用が強く、拒絶反応や感染症などのリスクが高い治療法です。

近年では、赤血球の破壊を抑制するエクリズマブ(製品名:ソリリス)やラブリズマブ(製品名:ユルトミリス)という薬剤が登場し、薬物治療を続けることで症状の進行を抑えることが可能になりつつあります。

これらの治療を行っても貧血が認められる場合には輸血を行います。そのほか、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などを合併している場合は、それらに対する治療も行います。

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(最終更新:2024年10月29日)