そのた、こういんすりんけっせいていけっとうしょう77及び78に掲げるもののほか、高インスリン血性低血糖症Other hyperinsulinaemic hypoglycaemia
小児慢性疾患分類
- 疾患群5
- 内分泌疾患
- 大分類34
- 高インスリン血性低血糖症
- 細分類79
- 77及び78に掲げるもののほか、高インスリン血性低血糖症
病気・治療解説
概念・定義
インスリンの過剰によって難治性の低血糖をきたす疾患のうちインスリノーマ、先天性高インスリン血症によらないもの。
病因
インスリン自己抗体症候群、胃食道逆流術後、胃バイパス術後や経管栄養中に発症する慢性反復性ダンピング症候群、成人に好発する非インスリノー マ性膵由来低血糖症候群の小児期発症例などが含まれる。
疫学
発症頻度は不明。
臨床症状
空腹時の低血糖発作が主要な症状であるが、ダンピング症候群では食後2-3時間での反応性低血糖が見られる。 意識障害、けいれんなどの中枢神経症状(neuroglycopenic symptom)と、低血糖に対する防衛反応としての発汗、震えなどの自律神経症状(adrenergic symptom)が見られる。
診断
下記の基準を満たすこと
(1)長期にわたり持続性・反復性の低血糖症状を示す。(2)高インスリン性低血糖症の診断基準を満たす。(3)外因性インスリン投与など他の明らかな低血糖の原因を認めない。(4)インスリノーマ、先天性高インスリン血症の診断基準を満たさない。
高インスリン性低血糖症の診断基準(日本小児内分泌学会)
空腹時グルカゴン負荷による血糖上昇>25 mg/dLも参考となる。インスリン自己抗体症候群では血中抗インスリン抗体の証明が有用である。
治療
低血糖発作に対してのブドウ糖輸液などのほか、頻回食、胃瘻や鼻注による持続流動食注入などの対症療法が原因によらず行われる。治療は主として食事療法を中心とする対症療法であるが、ジアゾキサイド内服、オクトレオチド皮下注、グルカゴン静注・筋注などが使用されることもある(後2者は保険適応外)。まれに膵切除が行われるときもある。
予後
新生児期に重度の低血糖を繰り返したものでは、てんかん、発達遅滞などの中枢神経後遺症を残すことが多い。治療のために95%以上の膵亜全摘を行った場合、低血糖が消失した症例の多くはインスリン依存性糖尿病を発症する。また、低血糖を内科的に管理できたものの発達予後は良好で糖尿病発症頻度も低い。
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
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