1. HOME
  2. 21及び22に掲げるもののほか、後天性甲状腺機能低下症

そのた、こうてんせいこうじょうせんきのうていかしょう
21及び22に掲げるもののほか、後天性甲状腺機能低下症Other acquired hypothyroidism

ピックアップ・イベント

ニュース一覧

イベント一覧

この疾患に関するピックアップ記事、イベントはありません

実施中の治験/臨床試験

検索結果は見つかりませんでした。

クローリングニュース

病気・治療解説

概要

原発性甲状腺機能低下症と中枢性甲状腺機能低下症に大別される。

A.原発性甲状腺機能低下症
原因となる疾患を表に示す1。
以下のような後天性非自己免疫性甲状腺機能低下症が考えられる。

1. 放射線性甲状腺機能低下症

概念・定義

131I による内照射療法後2週間以内に起こる、甲状腺の急性~亜急性炎症を放射線性甲状腺炎という。
Hodgkin 病などの治療目的に頸部に外照射が行われた数ヶ月後に一過性破壊性甲状腺炎をきたすことがある。
131I による内照射後、年3%の割合で甲状腺機能低下となり、10年後には約40%、20 年後には約60%が晩期性機能低下症となる。
頭頸部癌、白血病などで放射線照射を受けた小児の30%で中枢性甲状腺機能低下症を、7%で原発性/中枢性の混合型甲状腺機能低下症をきたす2。

病因

放射線性甲状腺炎は甲状腺組織破壊に伴う非特異的炎症と甲状腺ホルモン漏出による甲状腺中毒状態からなる。
放射線治療後すぐに破壊されなかった細胞の中に、放射線により染色体に障害を受けて将来の分裂増加が阻害されるものが存在し、長期間の後に甲状腺の予備能が徐々に低下し晩発性機能低下症となる。

臨床症状と検査所見

放射線性甲状腺炎は放射線治療後2週間以内に頸部の自発痛、圧痛、咽頭痛、嚥下痛により特徴づけられる。
晩発性機能低下症では放射線照射により萎縮甲状腺となる。
放射線治療後、定期的に甲状腺機能を検査していれば顕在性機能低下症の出現が見逃されることはない。病歴聴取が重要である。
放射線被爆と自己免疫性甲状腺炎との明らかな関連を示唆する結果は得られていない。

診断

診断の手引はこちら

治療

LT4補充療法を行う。

予後

原疾患に依存する。

2. 薬剤性甲状腺機能低下症

概念・定義

ヨード過剰摂取、ヨード含有抗不整脈薬アミオダロン、ヨード含有放射線造影剤、甲状腺ホルモン類似の構造を持つポリ塩化ビフェニルを代表とする化合物のほかに医薬品の中にも副作用として甲状腺機能に影響を及ぼすものが知られている2。

病因

無機ヨードは甲状腺へのヨードの取り込みやヨードの有機化を阻害する(WolffChaikoff効果)。アミオダロンは重量あたり37%のヨードを含有する。
カルバマゼピンとフェニトインは甲状腺ホルモンと甲状腺ホルモン結合蛋白との結合を抑制し、TSH 分泌を抑制する。バルプロ酸も重度な甲状腺機能低下症を引き起こす。
リチウムは甲状腺ホルモンの生合成、分泌を抑制する。経口糖尿病薬SU 剤、抗結核薬はヨード有機化を阻害する。
非ステロイド系消炎剤は甲状腺ホルモンと甲状腺ホルモン結合蛋白との結合を競合的に阻害する。
グルココルチコイドはTSH分泌を抑制する。
インターフェロンα、インターロイキン2は自己免疫性甲状腺障害を起こす。
自己免疫性甲状腺疾患を有する患者では薬剤誘発性甲状腺機能低下症の発症頻度が高まる。
臨床症状と検査所見
慢性甲状腺炎と異なり、びまん性甲状腺腫は認めない。
典型的な甲状腺機能低下症である、全身倦怠感、体重増加、寒がり、便秘、月経不順を呈することは少ない。
定期的検査で高コレステロール血症や甲状腺機能低下が診断のきっかけとなる場合もある。

診断

診断の手引はこちら

治療

原因薬剤の休薬によりほとんどの症例が可逆的に改善する。
休薬できない場合はLT4代償療法を併用する。

予後

アミオダロンとリチウムの投与中には抗甲状腺抗体の陽性化率が高まる。

B.中枢性甲状腺機能低下症

腫瘍、炎症、外傷、頭蓋放射線照射により視床下部、下垂体障害の障害をきたしTRH、TSH産生、分泌が低下し中枢性甲状腺機能低下症を生じる。
下垂体腫瘍によるものが多い。
TSHと他の前葉ホルモン障害を伴う場合と、TSH 単独で障害される場合がある。
後天性TSH単独欠損症は自己免疫的機序の関与が想定されているが頻度は少ない。

病因

原因となる疾患を表に示す1。
下垂体前葉ホルモンの中でGH、LH、FSHに次いで分泌障害をきたしやすい。

臨床症状と検査所見

視床下部~下垂体腫瘍による場合、頭蓋内圧亢進症状、両耳側半盲の他に、萎縮性甲状腺炎と同様の二次性の成長障害growth arrestを認める。
FT4低値、TSH 相対的低値。視床下部性ではTSH が5~10μIU/mL 程度に上昇する場合があり、TRH 負荷試験により原発性と鑑別する。
中枢性ではTSHの日内変動が消失する(正常では夜間にピークを認める)ことも参考になる。原疾患に応じた画像診断、各種下垂体前葉ホルモン負荷試験を行う。

診断

診断の手引はこちら

治療

原疾患の治療。副腎皮質機能低下症を合併している場合は、副腎不全を誘発しないよう、副腎皮質ホルモン製剤を1~2週間投与してからLT4補充療法を行う。
維持量の決定にはTSH は指標とならず、FT4、コレステロール、CK、身体所見を総合的に考慮する。

予後

原疾患に依存する。
表. 後天性甲状腺機能低下症の原因

参考文献

Martino E et al.: Central hypothyroidism. In: Braverman LE, Utiger RD(eds), Werner & Ingbar’s the thyroid: a fundamental and clinical text. 8th ed,Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 762-773, 2000
Singer PA.: Primary hypothyroidism due to other causes. In: BravermanLE, Utiger RD (eds), Werner & Ingbar’s the thyroid: a fundamental and clinical text. 8th ed, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 755-761, 2000

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。