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こつこうかせいしっかん
骨硬化性疾患osteosclerotic diseases

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病気・治療解説

概念

骨硬化性疾患は主として破骨細胞の機能障害により、全身性にびまん性の骨硬化をきたす疾患群であり、濃化異骨症、骨斑紋症、骨線状症、流蝋骨症、異骨性骨硬化症、頭蓋骨幹端異形成症、骨幹端異形成症(Pyle病)、頭蓋骨幹異形成症、硬化性骨症などを含む。X線所見として、全身性、びまん性の骨硬化、骨肥厚が特徴的であるが、これらは頭蓋冠や頭蓋底、下顎骨、四肢長管骨や鎖骨などにしばしば認める。骨硬化性病変に伴う脳神経障害や易骨折性、骨髄炎などの症状を伴いやすい。脳神経の圧迫を解除するために、手術加療が必要になることもある。骨折治癒は極めて遅延し、しばしば偽関節に至る。また、骨髄炎は遷延化しやすい。

病因

破骨細胞の形成や機能、骨のリモデリングなどに関連する複数の遺伝子異常(CTSK、LEMD3、ANKH、GJA1、SOST、WTX、SLC29A3)が報告されている。

疫学

1990年~2015年における日本整形外科学会・骨系統疾患全国登録によると、骨硬化性疾患はいずれも小児関連施設から全125例が登録されている。

臨床症状

頭蓋底の骨肥厚により視力障害、難聴、顔面神経麻痺、水頭症などの脳神経圧迫症状を生じやすい。骨脆弱性のため病的骨折を生じやすく、骨折治癒は著しく遅延し、しばしば偽関節となる。下顎骨などに骨髄炎を発症しやすく、難治性で慢性に経過する。歯牙形成異常のため歯科的な治療を要することも多い。-2SD以下の低身長を呈するものもある。頭蓋骨や顔面骨に骨硬化や肥厚を有する例では、顔貌異常(前頭部突出、眼間解離、下顎の突出など)を認める。X線所見としてはびまん性の骨硬化、全身性の骨肥厚などを共通の所見とし、症例によっては末節骨の骨融解、脊柱変形などを示すものもある。骨硬化性病変に伴った脳神経障害、易骨折性、骨髄炎などは極めて難治性で、長期にわたって生活の質は低下する。

検査所見

全身性、びまん性の骨硬化像を共通のX線所見とする。頭蓋冠や頭蓋底、顔面骨、下顎骨などに骨硬化像や骨肥厚像、四肢長管骨や肋骨、鎖骨などに骨肥厚像を認める。症例によっては脊柱側弯や、末節骨の骨融解像を呈するものもある。

診断の際の留意点

X線所見が診断の決め手になるので、全身骨のレントゲン撮影が必要である。少なくとも頭部の正側像、両手の正面像、全脊柱の正側像、骨盤の正面像、両下肢の正面像を撮影し、骨硬化や骨肥厚の有無をチェックする。

治療

根本的な治療法は確立されておらず、種々の症状に応じての対症療法が中心となる。頭蓋骨や顔面骨の肥厚に伴う脳神経障害に対し、脳神経外科的、耳鼻科的な手術介入が小児期よりなされるが、骨硬化が著しいため治療は極めて難渋する。骨折に関しても同様、手術による固定材の刺入が極めて困難であり、また骨癒合も遷延化するため難治性となることが多い。骨髄炎は遷延化することが多く、長期にわたる薬物治療を要する。進行性の難聴に対しては補聴器が必要となる。

合併症

・脳神経圧迫による視力・聴力障害、水頭症、顔面神経麻痺など。
・骨脆弱性に伴う骨折、偽関節
・慢性骨髄炎
・歯牙形成不全
・低身長
・脊柱変形

予後

骨硬化性病変は改善することはなく、生涯にわたり永続する。一般に生命予後は良好であるが、脳神経障害、骨折、骨髄炎などの治療は抵抗性で、長期にわたる日常生活動作の低下を招く。

成人期以降の注意点

成人期以降の骨折治療は極めて難渋し、偽関節に至ることも多い。また、視力・聴力障害は加齢ともに増悪する。骨髄炎も遷延化しやすく、これらにより日常生活動作は徐々に低下する。高齢者では、下肢長管骨の骨折や偽関節による長期間の不動が全身性の廃用性萎縮をきたし、間接的に死期を早める可能性もある。

参考文献

1. Bonafe L, Cormier-Daire V, Hall C, et al. Nosology and classification of genetic skeletal disorders: 2015 revision. Am J Med Genet A 167A:2869-2892, 2015
2. 小﨑慶介、北野利夫、鬼頭浩史、他. 2015年版骨系統疾患国際分類の和訳. 日整会誌 91:462-505, 2017

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。