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ひふしかんしょう(じょうせんしょくたいゆうせい)
皮膚弛緩症(常染色体優性)Autosomal dominant cutis laxa

小児慢性疾患分類

疾患群-
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大分類-
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細分類-
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[Orpha番号:ORPHA90348]

常染色体優性の皮膚弛緩症(autosomal dominant cutis laxa:ADCL)は、皺がよって余剰が多く、たるんだ弾力性のない皮膚に加えて、一部の症例では内臓病変を合併することを特徴とする結合組織疾患である。

病気・治療解説

疫学

ADCLの有病率は不明であるが、現在までに文献で報告されている症例数は50例未満である。

臨床像

過剰な皮膚の皺と余剰の多いたるんだ皮膚がみられることから、通常は出生時または小児期早期に診断される。ADCLは皮膚弛緩症(cutis laxa:CL)の中でも全身病変が限られた軽症型であると考えられているが、それでも合併する特徴として、ヘルニア、心臓弁の形態異常(僧帽弁および三尖弁の余剰)、心血管系の症状(肺動脈弁狭窄症と大動脈および動脈の拡張および蛇行)、消化管憩室、肺気腫などがある。

病因

ADCLは遺伝的に多様である:エラスチン遺伝子(ELN;7q11.1-q21.1)の変異が一部の症例で報告されているが、フィブリン5をコードする遺伝子(FBLN5;14q31)の変異が同定された症例もある。ホモ接合性のFBLN5変異は、広範な全身病変を伴うCLの重症型である常染色体劣性のCL 1型(ARCL1;この用語を参照)と関連する。

診断方法

診断は診察所見、家族歴、および皮膚生検での特有の組織学的所見(断片化されたまばらな弾性線維)に基づく。分子遺伝学的検査で診断を確定できる場合がある。

鑑別診断

鑑別診断としては、他の病型のCL(ARC1およびARCL2とX連鎖CL)や関連する症候群(老人様皮膚萎縮骨形成異常症[gerodermia osteodysplastica]、wrinkly skin症候群、およびDe Barsy症候群)のほか、エーラス-ダンロス症候群(Ehlers-Danlos syndrome)、Cantu症候群、コステロ症候群(Costello syndrome)(これらの用語を参照)などがある。

遺伝カウンセリング

罹患家系には遺伝カウンセリングを行うべきであり、原因遺伝子変異が同定されている家系では出生前診断が可能である。

管理および治療

皮膚弛緩症に対する特異的治療法はない。管理には合併するあらゆる症候に対する対症療法を含めるべきである。ADCLは一般に軽度の皮膚疾患であり、内臓病変の発生はまれである。

予後

ほとんどの患者は予後良好で、平均余命は一般に正常である。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
M GUILLARD、Dr D.J. [Dirk] LEFEBER、Dr Eva MORAVA 、Pr R.A. [Ron] WEVERS
日本語翻訳版の監訳
宮地 良樹(京都大学名誉教授/静岡県立総合病院参与・リサーチサポートセンター長)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/HifushikanshoJyosenshokutaiyusei_JP_ja_PRO_ORPHA90348.pdf
英語原文URL
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/OC_Exp.php?lng=EN&Expert=90348

最終更新日:2011年1月
翻訳日:2019年2月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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