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にぶんせきつい(こはつせい)
二分脊椎(孤発性)Isolated spina bifida

小児慢性疾患分類

疾患群-
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大分類-
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細分類-
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[Orpha番号:ORPHA823]

二分脊椎(spina bifida)は、神経管閉鎖不全と呼ばれる一群の先天異常の中でも最も頻度の高い病態である。神経管は後に脳と脊髄に分化する胚子構造物である。二分脊椎では脊椎のほか、ときに脊髄も侵される。開放性二分脊椎(aperta spina bifida)は、脊椎背側の閉鎖不全と定義され、様々な程度の椎弓欠損を伴う。皮膚の瘤が形成され、内部に髄膜(髄膜瘤)あるいは脊髄と髄膜(脊髄髄膜瘤)が含まれる。

病気・治療解説

疫学

フランスでの有病率は1,000人当たり0.5例にも達する。欧州で報告されている二分脊椎の平均有病率は5.09/10,000出産(出生、死産、および出生前診断後の中絶を含む)である。

臨床像

本疾患は、腰椎または仙椎部分に生じることが最も多く、2または3椎体(ときにそれ以上)に及ぶ。その結果、対麻痺(両下肢麻痺)、水頭症、アーノルド-キアリ奇形(Arnold-Chiari malformation)(胎内での発育中に脊髄の係留により生じる)、尿失禁、および便失禁が生じる。症状の重症度は病変の位置と進展範囲に大きく依存する。

病因

本疾患は複数の因子により生じる。

出生前診断

二分脊椎は胎児診断が可能であり、胎児脊椎の超音波検査により検出できる。

管理および治療

罹患した乳児患者には姑息的手術が行われ、水頭症がある場合は脳室腹腔シャント術を追加することができる。成長に伴って患者にはより複雑な管理が必要になる。妊娠前および妊娠初期にビタミンB群の一種である葉酸を毎日摂取することで、神経管閉鎖不全(二分脊椎を含む)のリスクが低下することが研究により示されている。

翻訳情報

日本語翻訳版の監訳
野中 雄一郎(難治性疾患政策研究班「神経変性疾患領域における基盤的調査研究」)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/NibunsekitsuiKohatsusei_JP_ja_PRO_ORPHA823.pdf
英語原文URL
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/OC_Exp.php?lng=EN&Expert=823

最終更新日:2005年1月
翻訳日:2019年3月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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