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SAPHOしょうこうぐん
SAPHO症候群SAPHO syndrome

[Orpha番号:ORPHA793]
まれな自己炎症性疾患で、皮膚への好中球浸潤と慢性非細菌性骨髄炎の合併を特徴とする。

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病気・治療解説

疫学

SAPHO症候群(Synovitis[滑膜炎]、Acne[ざ瘡]、Pustulosis[膿疱症]、Hyperostosis[骨増殖症]、Osteitis[骨炎]の略)の発生率および有病率はおそらく過小評価されているものの、まれな疾患と考えられている。

臨床像

発症年齢は小児期から成人期後期まで幅があり、発症年齢の中央値は30~40歳である。SAPHO症候群には、様々な重症度の骨関節および皮膚症候の多様な組合せを特徴とする、広いスペクトラムの異常が含まれる。骨関節痛、こわばり、腫脹の発症は潜行性に起こることが最も多い。成人患者では、炎症は主に前胸壁に生じるが脊椎にもみられ、頻度は下がるが下顎および腸骨に生じることもある;小児患者の炎症は、慢性非細菌性骨髄炎(non bacterial osteomyelitis:CNO/CRMO)に似た分布を示す(例、長管骨、鎖骨、脊椎)。滑膜炎が生じる場合は、ほとんどが仙腸関節、股関節、膝関節、または胸鎖関節にみられる。症状の重症度に応じて、可動域制限がみられることがある。皮膚病変としては重度のざ瘡、掌蹠膿疱症、膿疱性乾癬などがある。皮膚症候は骨の変化が始まる1~2年前に始まることが多いが、同時に現れることもあれば20年以上経過してから現れることもある。腹痛、下痢、裂肛、または膿瘍が生じることもあり、その場合は炎症性腸疾患(IBD)の合併が示唆される。ほとんどの著者がCNO/CRMOをSAPHO症候群の小児型であると考えている。事実、皮膚疾患またはIBDの頻発は、これら2つの病態を同じスペクトラムに含めるべきであることを示唆する。

病因

病因は不明である。SAPHO症候群は遺伝、環境、免疫、感染の各要素からなる多因子に起因すると考えられている。また、Propionibacterium acnesなどの緩徐増殖性の細菌が誘因となる可能性がある。

診断方法

診断は、診察に基づいて疑われ、画像検査(X線、CT、MRI)によって骨溶解および骨硬化と、それに伴う二次性の骨増殖、骨髄浮腫、骨内膜-骨膜の炎症、病巣周囲の筋炎、および隣接部の関節炎を示すことにより確定される。骨生検では多くの場合、初期には好中球浸潤がみられ、後期には進行性に単核球に置き換えられて骨硬化を伴う。細菌学的検査ではときにPropionibacterium acnesが陽性になる。滑液培養は一般に陰性である。

鑑別診断

鑑別診断としては、感染性骨髄炎または関節炎、ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis)、ユーイング肉腫(Ewing sarcoma)、骨芽腫、類骨骨腫といった骨腫瘍などがある。

遺伝カウンセリング

ほとんどの症例が散発性であるが、一部、家族性症例も報告されている。

管理および治療

治療は主に対症療法であり、非ステロイド系抗炎症薬に基づくが、ときにコルチコステロイド(例、プレドニゾン)に変更される。難治性の症例では、疾患修飾性抗リウマチ薬(例、メトトレキサート)も使用できる。ビスホスホネート系薬剤(パミドロン酸、ゾレドロン酸)の静脈内投与により、骨痛を緩和できる。最近では、アジスロマイシンまたはTNF阻害薬が、骨関節および皮膚症候の両者のコントロールに有望な結果を残している。ざ瘡はドキシサイクリンなどの抗菌薬の全身投与により治療されることがある。掌蹠膿疱症または膿疱性乾癬は一般に、コルチコステロイドの外用またはPUVA療法に反応する。理学療法が推奨される。

予後

本疾患は一般に慢性の経過をたどり、寛解と再発を交互に繰り返し、ときに新たな骨硬化病変の出現を伴う。自然寛解が生じることもある。合併症として、骨関節機能障害、血管の圧迫、慢性疼痛症候群、古典的な脊椎関節炎への進行などがある。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Pr Hermann GIRSCHICK
日本語翻訳版の監訳
冨田 哲也(難治性疾患政策研究班「強直性脊椎炎に代表される脊椎関節炎の疫学調査・診断基準作成と診療ガイドライン策定を目指した大規模多施設研究」)
小島 伸介(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/SAPHOshokogun_JP_ja_PRO_ORPHA793.pdf
英語原文URL
https://www.orpha.net/consor/cgi-bin/Disease_Search.php?lng=EN&data_id=6523

最終更新日:2019年6月
翻訳日:2021年2月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。