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けっしょうばんげんしょうしょう(せんてんせいせっけっきゅうけいせいいじょうせいひんけつをともなう)
血小板減少症(先天性赤血球形成異常性貧血を伴う)Thrombocytopenia with congenital dyserythropoietic anemia

小児慢性疾患分類

疾患群-
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大分類-
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細分類-
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[Orpha番号:ORPHA67044]

先天性赤血球形成異常性貧血(thrombocytopenia with congenital dyserythropoietic anemia[CDA];この用語を参照)を伴う血小板減少症は、まれな血液疾患であり、ほぼ男性のみにみられ、中等度から重度の血小板減少症による出血を特徴とし、軽度から重度の貧血を伴うことがある。

病気・治療解説

疫学

有病率は不明である。文献ではCDAを伴う血小板減少症およびGATA1の変異がある家系が少なくとも3家系報告されている。

臨床像

本疾患は主に男性が罹患し、女性は一般に無症状であるか、軽度の症状にとどまる。小児期または(重症例では)新生児期に発症し、容易に生じる皮下出血に、鼻出血、点状出血、斑状出血、または脾腫などの血小板減少症の他の症候を伴う。しばしば貧血がみられるが、軽度のものから重度のものまで幅がある。過剰な出血および/または皮下出血が、外傷後に生じる患者もいれば、自然に起こる患者もいる。いくつかの症例では停留精巣も報告されている。

病因

本疾患は、赤血球および巨核球産生に関わる転写調節因子である、GATA1をコードするGATA1遺伝子(Xp11.23)の変異に起因する。この遺伝子に多様な変異が同定されていることから、疾患としての表現型の多様さが説明される。

診断方法

診断は、本疾患の家族歴および臨床検査所見に基づく。血算では血小板減少のほか、一部の症例では貧血、非常にまれに好中球減少が認められる。血小板は多くの場合機能異常を有するが、これはアゴニストに対する凝集反応の欠如によって示される。末梢血塗抹標本では、赤血球のサイズおよび形の異常に加え、血小板の減少が認められる。骨髄生検では、赤血球形成異常、赤芽球の形態異常、ならびに血小板および巨核球の形成異常が明らかになる。分子遺伝学的検査によりGATA1変異を同定できる。

鑑別診断

鑑別診断としては、骨髄異形成症候群、サラセミア、ジルベール症候群(Gilbert syndrome)、遺伝性球状赤血球症、急性赤白血病(これらの用語を参照)、葉酸、鉄、またはビタミンB12欠乏症のほか、AIDS、マラリア(この用語を参照)、内臓リーシュマニア症などの感染症、その他の後天性または遺伝性血小板減少症などがある。Wiskott-Aldrich症候群(この用語を参照)も除外すべきである。

出生前診断

GATA1に変異が同定されている家系では、出生前診断が可能である。

遺伝カウンセリング

本疾患は、X連鎖形式で遺伝し、遺伝カウンセリングが可能である。ほとんどの女性は無症候性キャリアである。

管理および治療

非常に軽度の症状の患者は治療を必要としない。血小板減少に関連する症候は、血小板輸血により治療できる。短期的な軽度から中等度の出血には、デスモプレシンも有益な場合がある。貧血に関連する重度の胎児水腫(この用語を参照)がある場合、子宮内胎児輸血が必要となり、重度の貧血があれば出生後も輸血が必要となりうる。定期的な輸血を受ける患者では、血中鉄濃度の注意深いモニタリングを行うべきである。生命を脅かす症候のある患者には骨髄移植(BMT)を考慮することがある。抗血小板薬、非ステロイド系抗炎症薬および外傷のリスクを高める活動は避けるべきである。

予後

予後は疾患の重症度に左右される。重篤な病型の患者ではQOLに影響が現れることがあり、また貧血を治療するために繰り返される輸血による鉄過剰は、治療せずに放置すると非常に有害となりうる。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Dr Mayka SÁNCHEZ FERNÁNDEZ
日本語翻訳版の監訳
伊藤 悦朗(難治性疾患政策研究班「先天性骨髄不全症の診断基準・重症度分類・診療ガイドラインの確立に関する研究」)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/KesshobangenshoshoSentenseisekkekkyukeiseiijyoseihinketsu_JP_ja_PRO_ORPHA67044.pdf
英語原文URL
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/OC_Exp.php?lng=EN&Expert=67044

最終更新日:2013年9月
翻訳日:2019年3月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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