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もうはつびしせつこつしょうこうぐん2がた
毛髪鼻指節骨症候群2型Trichorhinophalangeal syndrome type 2

小児慢性疾患分類

疾患群-
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大分類-
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細分類-
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[Orpha番号:ORPHA502]

知的障害、低身長、まばらで色素脱失した頭髪、典型的な顔貌(太い眉毛[特に内側]、幅広い鼻背および鼻尖、未発達な鼻翼、長い人中、薄い上赤唇、突出した耳)、四肢の異常(短指症、短い中手骨および中足骨、円錐形の指節骨骨端、爪萎縮、股関節形成不全)、ならびに多発性軟骨性外骨腫を特徴とする、まれな多発性先天奇形症候群である。

病気・治療解説

疫学

有病率は不明である。約100例が文献で報告されている。

臨床像

本疾患の重症度および臨床像は様々である。本疾患は出生前および出生後の発育遅滞を伴い、これが主要な臨床徴候となる可能性がある。典型的顔貌の特徴は早期から認められるが、顔面の形態が典型的な顔とわずかにしか異ならないために見逃される場合があり、薄くまばらな頭髪も一般集団の乳児でよくみられる。小頭症が罹患者の半数以上にみられる。通常は運動および認知機能の発達の遅れから、さらなる検査が行われる。発達の遅れにより、罹患者が四肢遠位部の関節や股関節の異常を自ら指摘するのが難しくなる可能性があるが、それらの異常は毛髪鼻指節骨症候群(TRPS)1型でも同様にみられる。発達遅滞は様々で、軽度のこともあれば、著明となることもある。多発性外骨腫は生後5年以内に発症し、特に四肢に好発するが、他の部位に発生する可能性もあり、時間とともにより著明となる。外骨腫は骨変形、疼痛、および機能的問題につながることがある。悪性腫瘍は極めてまれである。

病因

TRPS 2型はTRPS1、RAD21、およびEXT1遺伝子の欠損につながる染色体8q23.3-q24.11の微細欠失に起因し、したがって隣接遺伝子症候群の一種である。通常、微細欠失は新規に発生したものであるが、遺伝した症例も報告されている。少数の罹患者ではRAD21とEXT1のみが関係する欠失がみられ、それらの患者の顔貌の特徴はコルネリア デ ランゲ患者のそれと類似している。TRPS1は、成長の調節と軟骨細胞および軟骨膜の発生に関与するzinc-finger型転写抑制因子である。

診断方法

診断は典型的には臨床像から疑われ、染色体マイクロアレイ解析による遺伝子検査によって確定される。

鑑別診断

TRPS 2型は、知的障害と外胚葉系の異常に伴って四肢遠位部の異常または鼻の形状の異常がみられる他の疾患と鑑別する必要がある。TRPS 2型の表現型は非常に特徴的であり、通常は他の疾患と混同されることはないが、例外として微細欠失にTRPS1が関係していない患者では、コルネリア デ ランゲ(Cornelia de Lange syndrome)患者の表現型と類似することがある。

出生前診断

家系内の罹患者で病的バリアントが同定されている場合は、出生前診断が可能である。親の生殖細胞系列モザイクは報告されていないが、理論的には可能性が残る。

遺伝カウンセリング

本疾患は常染色体顕性(優性)である。大半が孤発例である。罹患者には遺伝カウンセリングを行い、1回の妊娠で罹患した子供が生まれるリスクが50%あることを伝えるべきである。現在までに報告された全罹患者での浸透率は100%である。体細胞モザイクは極めてまれである。

管理および治療

TRPS 1型とTRPS 2型ともに、外胚葉系の異常と発育遅滞に対するケアを罹患者の発達段階を考慮しながら行っていく。著明な発達障害がみられる患者では、罹患者が自ら異常を指摘できない場合があるため、関節症状と疼痛を考慮に入れる必要がある。外骨腫には整形外科専門医による定期的なフォローアップが必要であり、孤発性の多発性外骨腫と同様に治療すべきである。

予後

平均余命は健常者と同等である。運動能力の低下と発達上の問題がQOLに大きな影響を及ぼす可能性がある。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Pr Raoul HENNEKAM
S.M. [Saskia] MAAS

日本語翻訳版の監訳
小島 伸介(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)

日本語版URL
http://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/Trichorhinophalangeal_syndrome_type_2_JP_ja_ORPHA502.pdf
英語原文URL
https://www.orpha.net/en/disease/detail/502

最終更新日:2023年3月
翻訳日:2024年3月

本要約の翻訳は、未診断疾患イニシアチブ(IRUD)臨床専門分科会に所属される専門医や、その他の希少疾患専門医のご協力の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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