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22q13ものそみー
22q13モノソミーMonosomy 22q13

小児慢性疾患分類

疾患群-
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大分類-
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細分類-
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[Orpha番号:ORPHA48652]

22q13モノソミー症候群(monosomy 22q13 syndrome)(22q13.3欠失症候群またはPhelan-McDermid症候群)は、新生児期の筋緊張低下、全体的な発達遅滞、正常成長から過剰成長、発語の欠如または重度の遅れ、ならびに小さな特異形態を特徴とする染色体微細欠失症候群である。

病気・治療解説

疫学

臨床での疾患認識が欠如しており、しばしば十分な検査が行われないため、この症候群は未診断の患者が多く、真の発生率は不明のままである。

臨床像

この欠失は男性と女性で同じ頻度で発生し、モザイク型と非モザイク型が報告されている。一般的な身体的特徴としては、長い睫毛、大きな耳または特徴的な耳、比較的大きな手、足指の爪の異形成、太い眉、長頭症、丸く膨らんだ頬、球状の鼻、先の尖ったあごなどがある。行動は自閉症のようで、痛みを認識する感覚が低下し、習慣的に咀嚼をしたり口を動かしたりする。

病因

22q13.3の欠失は、単純欠失、転座、環状染色体の形成のほか、頻度は低いが22番染色体長腕、特にSHANK3遺伝子を含む領域に影響を及ぼす染色体構造変化から生じうる。

診断方法

22q13モノソミー症候群の診断は、病因が未知の筋緊張低下がみられるすべての症例と発話のないすべての症例で考慮すべきである。欠失はときに高精度分染法によって検出されることもあるが、確定診断には蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)またはアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)が推奨される。

鑑別診断

鑑別診断には、筋緊張低下、発達遅滞、発話遅滞または自閉症様行動がみられる症候群が含まれる(プラダー-ウィリ[Prader-Willi]症候群、アンジェルマン[Angelman]症候群、ウィリアムズ[Williams]症候群、スミス-マギニス[Smith-Magenis]症候群、脆弱X症候群、ソトス[Sotos]症候群、FG症候群、毛髪鼻指節骨[trichorhinophalangeal]症候群、口蓋帆心臓顔[velocardiofacial]症候群、自閉スペクトラム症、脳性麻痺;これらの用語を参照)。

出生前診断

出生前診断は、遺伝性の染色体再構成を有する家系において将来の妊娠のために勧めるべきである。

遺伝カウンセリング

遺伝カウンセリングが推奨されており、潜在的な再構成を同定したり、親のモザイクを検出したりするために、両親の検査を考慮すべきである。

管理および治療

22q13モノソミーの患者は、プライマリケア医による一般的な診察を受けるべきであり、神経系、消化管、腎臓、その他の全身的な異常が疑われる場合には、遺伝学的評価を受けさせるために専門医に紹介するべきである。患者には早期介入プログラム、集中的な作業療法およびコミュニケーション療法、適応型運動およびスポーツプログラム、ならびに筋力を強化したり、コミュニケーションスキルを高めたりするその他の治療法が有益となる。

予後

22q13モノソミーは、生命を脅かす明らかな臓器異常を伴わない。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Dr Mary PHELAN
日本語翻訳版の監訳
倉橋 浩樹(難治性疾患政策研究班「染色体微細欠失重複症候群の包括的診療体制の構築」)、中山 要(藤田医科大学大学院保健学研究科臨床検査学領域遺伝カウンセリング分野)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/22q13monosomi_JP_ja_PRO_ORPHA48652.pdf
英語原文URL
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/OC_Exp.php?lng=EN&Expert=48652

最終更新日:2008年5月
翻訳日:2019年4月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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