ふぁいんごーるどしょうこうぐん2がたファインゴールド症候群2型Feingold syndrome type 2
小児慢性疾患分類
- 疾患群-
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[Orpha番号:ORPHA391646]
まれな遺伝性先天奇形症候群で、小頭症、低身長、指の異常(中節骨短縮症、第5指斜指症、足趾の合指症、および母指形成不全、および軽度の知的障害を特徴とするが、消化管閉鎖症の症候はみられない。
病気・治療解説
疫学
ファインゴールド症候群2型(Feingold syndrome type 2:FS2)は極めてまれであり、現在までに20例未満の文献報告しかされていない。
臨床像
FS2の患者は、FS1にみられるのと同様に、小頭症、短指症、第2指と第5指の中節骨短縮症、母指形成不全、ならびに合趾症を呈する。軽度の知的障害も指摘される。FS1とは異なり、FS2の患者にはいかなる形態の消化管閉鎖も発生せず、眼瞼裂狭小もみられない。
病因
FS2は、染色体13q31.3上のMIR17HG遺伝子におけるヘミ接合性の欠失によって引き起こされると考えられている。これは、miRNA遺伝子を原因としたヒトにおける発生障害による症候群の最初の例である。
診断方法
診断は臨床所見から疑われ、高分解能CGH(comparative genomic hybridization)アレイにより確定できる。
鑑別診断
FS2の鑑別診断にはFS1型、VACTERL連合、チャージ(CHARGE)症候群、短指症A4型、ファンコニ(Fanconi)貧血がある。
出生前診断
既知のMIR17HG変異または欠損を有するFS2家系では出生前診断が可能である。
遺伝カウンセリング
FS2は常染色体優性形式で遺伝するが、ほとんどの症例はde novoで発生する。遺伝カウンセリングが可能である。
管理および治療
心臓または腎臓の異常の可能性を同定するために、広範な診察が必要である。FS2の管理は、典型的には長期的な医学的続発症に対する治療が中心となる。手指/足指の異常に対する作業療法/外科的介入が必要となることがある。腎臓および心臓の異常には標準治療を行うべきであり、抗菌薬の予防投与が有益となりうる。学習障害のある小児および成人には特別な教育が推奨される。難聴は、言語聴覚士が同様にモニタリングすべきである。特定の症例では人工内耳が使用可能である。
予後
予後は先天奇形(特に心臓および腎の異常)の有無に依存する。至適な外科的矯正が達成可能であれば、予後は比較的良好となりうるが、一部の患者は生涯を通じて先天奇形の影響を受け続ける。
翻訳情報
専門家による英語原文の校閲
Pr Loïc DE PONTUAL
日本語翻訳版の監訳
倉橋 浩樹(難治性疾患政策研究班「染色体微細欠失重複症候群の包括的診療体制の構築」)
岸野 洋祐(藤田医科大学大学院保健学研究科臨床検査学領域遺伝カウンセリング分野)
金田 秀昭(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/Feingoldshokogun2gata_JP_ja_PRO_ORPHA391646.pdf
英語原文URL
https://www.orpha.net/en/disease/detail/391646
最終更新日:2020年8月
翻訳日:2021年2月
本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。
注意事項
※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。
※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。
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