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けっせつせいひかのうせいしぼうしきえん
結節性非化膿性脂肪織炎Nodular non-suppurative panniculitis

小児慢性疾患分類

疾患群-
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大分類-
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細分類-
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[Orpha番号:ORPHA33577]

結節性非化膿性脂肪織炎(nodular non-suppurative panniculitis)は、ウェーバー-クリスチャン病(Weber-Christian disease:WCD)としても知られ、皮下脂肪層の繰り返す炎症を特徴とする、まれな皮膚疾患である。

病気・治療解説

疫学

正確な有病率は不明である。成人女性で比較的多くみられる(報告症例の約75%)。

臨床像

WCDの特徴は、圧痛または疼痛を伴う単発性または多発性の浮腫性しばしば紅斑性の皮下結節(1~2 cm大、好発部位は下肢)であり、それらが陥凹した瘢痕を残して治癒する。上肢、殿部、腹壁、乳房、および顔面が侵されることもある。WCDでは大半の症例で発熱、倦怠感、筋肉痛、関節痛、および腹痛がみられる。悪心、嘔吐、体重減少、肝腫大がみられることもある。本疾患は数週間ないし数カ月の間隔で再発する傾向がある。WCDは重度の全身性疾患として発症することもある。まれに結節が生じる部位として、腹部(膿瘍として)、小腸または大腸の腸間膜(腸閉塞を伴う)、肺、心臓、肝臓、脾臓、副腎、腎臓、陰嚢、頭蓋などがある。疾患が全身性となった患者では、合併症発生率と死亡率が有意に高くなる。

病因

病因は不明である。

診断方法

確定診断には皮下結節の組織学的検査が必要である(脂肪小葉が早期には好中球、リンパ球、組織球で置換され、後にマクロファージと線維組織で置換される)。

鑑別診断

鑑別診断としては、それぞれ、最も一般的な隔壁性脂肪織炎と血管炎を伴う小葉性脂肪織炎を代表する結節性紅斑とBazin硬結性紅斑と、それ以外の脂肪織炎を伴う様々な疾患がある。後者としては、細菌、ウイルス、真菌感染症、結合組織疾患、脂質代謝障害、膵および腎疾患、痛風、リンパ増殖性腫瘍、外傷、α1-アンチトリプシン欠乏症(この用語を参照)がある。

管理および治療

治療は対症療法と支持療法であり、ステロイドおよび非ステロイド系抗炎症薬の全身投与などが考えられる。血栓溶解薬、ヒドロキシクロロキン、アザチオプリン、サリドマイド、シクロホスファミド、テトラサイクリン、シクロスポリンAに対する反応性が一部の症例で報告されている。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Pr Giovanna ZAMBRUNO
日本語翻訳版の監訳
橋本 隆(難治性疾患政策研究班「皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究」)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/Kessetsuseihikanouseishiboushikien_JP_ja_PRO_ORPHA33577.pdf
英語原文URL
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/OC_Exp.php?lng=EN&Expert=33577

最終更新日:2007年3月
翻訳日:2019年3月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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