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すうぃーとしょうこうぐん
スウィート症候群Sweet syndrome

小児慢性疾患分類

疾患群-
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[Orpha番号:ORPHA3243]
まれな炎症性疾患で、皮膚に有痛性、浮腫性かつ紅色の丘疹、局面、結節が突然現れることを特徴とする。しばしば発熱と好中球増多を伴い、典型的には成熟好中球の密な浸潤が真皮上層にみられる。本疾患は、古典的には炎症性疾患、妊娠、感染症(主に上気道)、ワクチン接種と関連付けられてきたが、特発性のもの、血液または内臓の悪性腫瘍と関連するもの、あるいは薬剤誘発性のものもある。

病気・治療解説

疫学

スウィート症候群の症例は数百件報告されている。

臨床像

古典的スウィート症候群(classical Sweet syndrome:CSS)は通常、30~50歳の女性に発生し、上気道感染症に続発することが多く、炎症性腸疾患を合併する場合もある。有痛性かつ紅色の局面または結節が突然現れることを特徴とするが、膿疱や水疱も報告されている。30~80%の症例で発熱がみられる。CSS患者の約3分の1で皮膚病変の再発が経験される。悪性腫瘍関連スウィート症候群(malignancy-associated Sweet syndrome:MASS)は、すでにがんが確認されている患者だけでなく、スウィート症候群に関連する造血器腫瘍または固形腫瘍がそれまでに見つかっていなかった患者においても、腫瘍随伴症候群として発生する可能性がある。MASSは急性骨髄性白血病に合併することが最も多い。皮膚病変は、がんの診断に先行することもあれば、後から現れることや、同時に現れることもある。したがって、MASSの皮膚症状は、がんの既往がなかった人における未診断の内臓悪性腫瘍や、がん患者における予期せぬがん再発の前兆となる場合がある。薬剤性スウィート症候群(drug-induced Sweet syndrome:DISS)は、顆粒球コロニー刺激因子製剤による治療を受けた患者に最もよくみられるが、ほかにも多くの薬剤にDISSとの関連が認められている。

病因

病因は多因子性と考えられているが、まだ明確には確立されていない。臨床的および実験的証拠から、炎症性エフェクター分子の発現の変化、好中球の機能異常、遺伝的素因が病因に関わっていることが示唆されている。

診断方法

スウィート症候群(SS)は、診断基準(診断には、大基準と2つの小基準の両方が必要である)に基づく除外診断である。大基準としては、1)突然現れる典型的な皮膚病変、2)SSに一致する病理組織学的特徴がある。小基準としては、1)関連する感染症もしくは予防接種が先行する、関連する悪性腫瘍もしくは炎症性疾患が併発している、または薬剤曝露もしくは妊娠に関連している、2)発熱および全身性症候の存在、3)白血球増多、4)コルチコステロイド全身投与への極めて良好な反応、がある。

鑑別診断

鑑別診断として、感染症、炎症性疾患(例、節足動物による咬傷、ハロゲン化合物による職業性皮膚症、その他の好中球性皮膚症、ウェルズ症候群)、および腫瘍性疾患(例、皮膚白血病、皮膚リンパ腫、転移性悪性腫瘍)などがある。

管理および治療

SSの管理では、関連している疾患や服薬歴を考慮に入れる必要がある。コルチコステロイドの全身投与が治療のゴールドスタンダードである。コルチコステロイドの全身投与に迅速に反応し、皮膚病変に関連する症状と皮膚病変の両方が劇的に改善する。限局した病変に対しては、高力価のコルチコステロイドの外用、またはコルチコステロイドの局所投与が行われることがある。その他の第一選択の経口薬は、ヨウ化カリウムおよびコルヒチンである。第二選択の経口薬としては、インドメタシンやダプソンなどがある。TNFα阻害薬およびIL-1受容体拮抗薬(アナキンラ)が使用された症例報告もある。

予後

症状および病変は治療的介入なしでも自然に消失することがあるが、自然寛解の場合も、治療により臨床症状が消失した場合にも、再発することがある。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Prof Emmanuel DELAPORTE
日本語翻訳版の監訳
久保 亮治(IRUD臨床専門分科会 皮膚疾患 チーフ/神戸大学大学院医学研究科 内科系講座 皮膚科学分野 教授)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/Sweet_syndrome_JP_ja_PRO_ORPHA3243.pdf
英語原文URL
https://www.orpha.net/en/disease/detail/3243

最終更新日:2020年8月
翻訳日:2022年3月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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