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しんこうせいへんどうせいこうはんかくひしょう
進行性変動性紅斑角皮症Erythrokeratoderma variabilis progressiva

[Orpha番号:ORPHA308166]

進行性変動性紅斑角皮症(erythrokeratoderma variabilis progressiva:EKVP)は、持続性ながらときに変動する境界明瞭な病変部に角質増殖と紅斑が合併することを特徴とする、紅斑角皮症の一病型である。進行性対称性紅斑角皮症(progressive symmetric erythrokeratoderma:PSEK)と変動性紅斑角皮症(erythrokeratoderma variabilis:EKV)は、2つの異なる疾患ではなく、現在EKVPとして知られる同一疾患の異なる臨床像であると考えられるようになっている。

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病気・治療解説

疫学

紅斑角皮症は、最近の研究で有病率が約1/2,000,000人と推定された、まれな皮膚疾患である。罹患率に性差はない。

臨床像

本疾患は通常、生後数カ月以内またはそれ以降の乳児期に発症する。出生時の紅斑が報告されている。対称性の境界明瞭な紅斑および角化局面を呈する。病変は四肢伸側、殿部、および顔面に好発する。局面は小児期に進行する傾向があり、その後病変は安定化する。PSEKとEKVは臨床像にかなりの重複がみられるが、鑑別する上での主な特徴は、EKV患者で遊走性紅斑がみられることである。病変が遊走する性質も、年齢に応じて経時的に変化することがある。手掌と足底は通常、正常であるが、掌蹠角化症を呈する症例もある。ごく軽微なそう痒がみられることもある。改善の報告はまれである。

病因

EKVPは、コネキシン遺伝子(コネキシン30.3をコードするGJB4[1p35-p34]またはコネキシン31をコードするGJB3[1p34])の変異により生じる。コネキシンは、表皮内の隣接する細胞間での輸送およびシグナル伝達を可能にするギャップ結合を形成する蛋白である。ほかに複数の民族に属する互いに血縁関係のない患者でコネキシン遺伝子の変異が陰性と判定されたことから、いずれ新たな原因遺伝子が発見されるはずである。GJA1(6q22.31)のde novo変異もEKVPの原因になると報告されている。

診断方法

診断は特徴的な臨床像に基づく。病理組織学的所見は非特異的である。光学顕微鏡では、EKVの場合には網目状の正角化を示す角質増殖、著明な顆粒層肥厚を伴う中等度から重度の有棘層肥厚、および乳頭腫症を認める一方、PSEKの場合には、網目状かつ多くの場合は斑状の不全角化を伴う表皮の有棘層肥厚を認める。顆粒層肥厚が著明であり、ときに細胞内空胞形成を認める。角栓はめずらしいことではない。電子顕微鏡では、EKVの場合には顆粒層内の層板顆粒の減少のほか、ときにトノフィラメントの凝集を認める一方、PSEKの場合には、角層に核周囲空胞と脂質様空胞またはlaminated inclusionを認めるが、これらの所見から診断を下すことはできない。

鑑別診断

鑑別診断としては、紅斑性および角化病変が生じる他の疾患、例えばKID症候群、魚鱗癬を伴う指端断節性掌蹠角化症keratoderma hereditarium mutilans with ichthyosis)、毛孔性紅色粃糠疹、乾癬などがある。

遺伝カウンセリング

過半数の症例は常染色体優性の遺伝形式に従うが、約40%は孤発的に発生する。常染色体劣性遺伝も報告されており、遺伝カウンセリングを行う際(特に血族婚の家系)、考慮に入れるべきである。

管理および治療

治療は対症療法である。皮膚軟化剤がしばしば使用されるが、有効性は限られている。角質溶解剤の外用またはacitretinの内服により、病変の厚みを減らすことができる。一部の症例ではisotretinoinがacitretinの代わりに使用されている。

予後

EKVPは生命を脅かす疾患ではないが、患者のQOLに影響を与える可能性があり、皮膚の外観が原因で社会的なハンディキャップにつながる可能性もある。全般的な健康状態への影響はない。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Pr Juliette MAZEREEUW-HAUTIER、Dr Emilie TOURNIER
日本語翻訳版の監訳
橋本 隆(難治性疾患政策研究班「皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究」)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/Shinkoseihendoseikohankakuhisho_JP_ja_PRO_ORPHA308166.pdf
英語原文URL
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/OC_Exp.php?lng=EN&Expert=308166

最終更新日:2015年10月
翻訳日:2019年3月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。