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Haim-Munkしょうこうぐん
Haim-Munk症候群Haim-Munk syndrome

小児慢性疾患分類

疾患群-
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大分類-
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細分類-
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[Orpha番号:ORPHA2342]

Haim-Munk症候群(Haim-Munk syndrome:HMS)は、手掌足蹠の角質増殖、重度かつ早期発症の歯周炎、爪鉤弯症(onychogryposis)、扁平足、くも指、および先端骨溶解症(acroosteolysis)を特徴とする。

病気・治療解説

疫学

HMSは、文献での報告例が100例に満たないまれな疾患である。報告症例の大半をインドの都市コーチンの孤立した宗教に属する少数の血族婚家系の子孫が占めている。それとは血縁関係のないブラジル人患者も1例報告されている。

臨床像

HMSは重度かつ広範な皮膚症状を呈する。著明な掌蹠角化症に加えて、患者の肘、膝、前腕、脛、手背に鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑がみられる。乳歯と永久歯の両方を侵し、歯肉の炎症と歯槽骨の破壊を呈する早期発症かつ進行性の重度の歯周炎が、本疾患に特有の徴候である。爪鉤弯症、くも指、先端骨溶解症、および扁平足は、HMSを他の病型の掌蹠角化症から鑑別する上で有用な追加所見である。特異的な指の変形(先細り、尖った指節骨末端、鉤爪様の手掌の弯曲)が典型的である。手関節および肩関節の破壊性関節炎がそれぞれ別の症例で報告されている。HMS患者は感染症に罹患しやすい。

病因

HMSは、染色体11q14.1-q14.3にマッピングされライソゾームプロテアーゼをコードするカテプシンC(CTSC)遺伝子の生殖細胞変異により生じる。同じ遺伝子の変異が、臨床的に関連する疾患であるパピヨン-ルフェーブル症候群(Papillon-Lefèvre syndrome:PLS)および思春期前歯周炎(これらの用語を参照)を引き起こす。

診断方法

診断は臨床的に行われるが、原因遺伝子変異を検出することで確定できる。

鑑別診断

鑑別診断としては、同じ遺伝子の別の変異による疾患であるPLSや、手掌足蹠の角質増殖と思春期前歯周炎を伴う疾患などがある。

遺伝カウンセリング

HMSは常染色体劣性形質として遺伝する。

管理および治療

皮膚症状の管理には、皮膚軟化剤の外用、角質溶解剤(サリチル酸および尿素を含む)、および経口レチノイド(acitretin、エトレチナート、isotretinoin)が必要である。HMCの歯周炎は通常、従来の歯周炎治療に反応しない。乳歯の抜歯に抗菌薬の内服と歯科での歯の清掃を併せて行うことが患者にとって有益となる可能性がある。滑膜切除術により破壊性関節炎に伴う炎症を軽減できることが判明しているが、関節可動域の減少につながる可能性がある。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Pr Agnès BLOCH-ZUPAN
日本語翻訳版の監訳
橋本 隆(難治性疾患政策研究班「皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究」)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/HaimMunkshokogun_JP_ja_PRO_ORPHA2342.pdf
英語原文URL
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/OC_Exp.php?lng=EN&Expert=2342

最終更新日:2008年11月
翻訳日:2019年3月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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