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Aがたいんすりんていこうしょう
A型インスリン抵抗症Insulin-resistance syndrome type A

小児慢性疾患分類

疾患群-
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大分類-
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細分類-
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[Orpha番号:ORPHA2297]

A型インスリン抵抗症(type A insulin-resistance syndrome)は、高度のインスリン抵抗性を伴う症候群(妖精症[leprechaunism]、各種の脂肪萎縮症(lipodystrophy)、Rabson-Mendenhall症候群、B型インスリン抵抗症など;これらの用語を参照)に属する症候群であり、脂肪萎縮症がなく過体重でない女性において、高インスリン血症、黒色表皮腫(インスリン抵抗性に伴う皮膚病変)、およびアンドロゲン過剰の徴候の三徴がみられることを特徴とする。

病気・治療解説

疫学

有病率不明のまれな疾患である。

臨床像

本疾患はアンドロゲン過剰の著明な徴候を認める若年女性で診断されるのが一般的であるが、インスリン抵抗性と黒色表皮腫は男性や小児にみられることもある。先端巨大症様顔貌と筋攣縮もときにみられる。疾患経過中にインスリン 抵抗性の生物学的マーカーである高インスリン血症に、耐糖能異常を伴ってみられることがしばしばあり、糖尿病が進行性に発症する。アンドロゲン過剰(多嚢胞性卵巣症候群[この用語を参照]または卵胞莢膜増殖症[ovarian hyperthecosis])が妊孕性の問題につながる。

病因

本症候群の一部の症例は、チロシンキナーゼドメインをコードする領域に影響を及ぼすインスリン 受容体遺伝子(INSR;19p13.3-p13.2)のヘテロ接合変異に起因する。受容体のインスリン結合ドメインに影響を及ぼすホモ接合変異を認める症例も報告されている。ただし、アンドロゲン過剰、インスリン抵抗性、および黒色表皮腫を呈する女性患者のうち、インスリン受容体遺伝子に変異がみられるのはわずか15~20%である。そのような変異が同定されない場合、本疾患は原因不明とされ、HAIR-AN症候群(この用語を参照)とみなされることがある。

鑑別診断

鑑別診断としては、極度のインスリン抵抗性を示す他の病型、特に各種の脂肪萎縮症(これらの用語を参照)があるが、その場合は脂肪組織の修復異常が臨床的に軽微である場合がある。B型インスリン抵抗症との鑑別診断は、A型の患者では抗インスリン受容体自己抗体がないことに基づく。

遺伝カウンセリング

遺伝形式は常染色体優性である。

管理および治療

治療は、食事の変更および/または薬剤(メトホルミン、チアゾリジン系薬剤、その他の抗糖尿病薬)によるインスリン抵抗性の緩和および糖尿病の治療から成る。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Pr Corinne VIGOUROUX
日本語翻訳版の監訳
小川 渉(難治性疾患政策研究班「ホルモン受容機構異常に関する調査研究」)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/Agatainsurinteikosho_JP_ja_PRO_ORPHA2297.pdf
英語原文URL
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/OC_Exp.php?lng=EN&Expert=2297

最終更新日:2009年1月
翻訳日:2019年3月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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