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さこつずがいけいせいふぜんしょう
鎖骨頭蓋形成不全症Cleidocranial dysplasia

小児慢性疾患分類

疾患群-
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大分類-
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細分類-
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[Orpha番号:ORPHA1452]

鎖骨頭蓋形成不全症(cleidocranial dysplasia:CCD)は、鎖骨の低形成または無形成、広く開大した泉門および骨縫合の遺残、ならびに多発性の歯牙異常を特徴とする、まれな遺伝性の骨発育異常症である。

病気・治療解説

疫学

CCDの有病率は1/1,000,000であるが、創始者効果のある集団ではより高くなる。本疾患は多くの民族で確認されており、性差は報告されていない。比較的軽症の症例があることから、有病率は低く見積もられている可能性がある。

臨床像

臨床像は極めて多彩であり(同一家系内でも同様)、孤立性の歯牙異常から、機能に影響を及ぼす重度の奇形まで様々である。主な臨床徴候は、鎖骨の低形成または無形成と幅が狭く傾斜のついた肩(患者は前方で両肩を近接させることができる)、頭蓋骨縫合の癒合の遅れと出生時の大きく開大した泉門(生涯残る場合もある)、ならびに多彩な歯牙異常(歯列の異常、乳歯および永久歯の均一または無秩序な数の過剰[多歯症]とそれに伴う歯牙の密集と不正咬合、乳歯の遺残、永久歯萌出の遅れ、乳歯脱落障害など)である。歯牙の異常が構音や咀嚼に悪影響を及ぼすこともある。その他の徴候としては、広く平坦な前額部、眼間開離、中顔面低形成、尖った下顎による特徴的顔貌のほか、強指症、先細りの手指、短く太い母指などがある。合併する骨格異常としては、低身長、脊柱側弯症、外反膝、扁平足、恥骨結合離開、肩甲骨の形成異常、内反股などがあるが、概して臨床的な重要性は低い。二次的な合併症としては、繰り返す上気道感染症、睡眠時無呼吸症候群、軽度の運動発達遅滞、様々な程度の難聴などがある。認知機能と知能は正常である。CCDの女性では、児頭骨盤不均衡のため、一般集団と比べて帝王切開が必要になる頻度が高い。

病因

CCDは、骨芽細胞の分化と骨形成に関与するRUNX2遺伝子(6p21)の変異により生じる。多岐にわたる変異が同定されており、浸透率は高く、重症度の差が大きい。表現型と遺伝子型の間に明らかな相関は確認されていない。

診断方法

診断は臨床徴候と特徴的なX線所見(広く開大した骨縫合、泉門開大、円錐形の胸郭と上胸郭の径の短縮、手の変形、異常な歯列)に基づく。臨床所見および画像診断所見が典型的でない患者では、確定診断のために分子遺伝学的検査を利用できる。

鑑別診断

鑑別診断としては、下顎骨肢端形成不全症(mandibuloacral dysplasia)、Crane-Heise症候群、Yunis-Varon症候群、濃化異骨症(pycnodysostosis)、CDAGS症候群、低ホスファターゼ血症などがある。

出生前診断

リスクの高い妊娠に対する出生前診断が可能であり、家系内で疾患を引き起こしている変異を同定する必要がある。

遺伝カウンセリング

鎖骨頭蓋形成不全症は常染色体優性形式で遺伝する。罹患家系には遺伝カウンセリングを行うべきである。de novo変異が関連した症例数が多いとみられている。

管理および治療

最大限の機能および審美性を獲得する上で歯牙異常の管理が非常に重要となる。その選択肢としては、遺残乳歯、過剰な永久歯、異常な永久歯の抜歯などがある。未萌出歯には歯科手術を、不正咬合には歯科矯正を考慮すべきである。言語療法が必要になることもある。繰り返す感染症には抗菌薬が推奨される。RUNX2は骨の維持と骨化に関与しているため、骨密度をモニタリングするとともに、骨粗鬆症の予防的治療を考慮すべきである。

予後

CCDに伴う奇形や合併症が重度の身体障害を引き起こすことはまれである。予後は一般に良好である。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Dr RobertMENDOZA-LONDONO
日本語翻訳版の監訳
小崎 健次郎(難治性疾患政策研究班「先天異常症候群領域の指定難病等のQOLの向上を目指す包括的研究」)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/Sakotsuzugaikeiseifuzensho_JP_ja_PRO_ORPHA1452.pdf
英語原文URL
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/OC_Exp.php?lng=EN&Expert=1452

最終更新日:2013年11月
翻訳日:2019年3月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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