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じーぼんすしょうこうぐん
ジーボンス症候群Jeavons syndrome

小児慢性疾患分類

疾患群-
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細分類-
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[Orpha番号:ORPHA139431]

ジーボンス症候群(Jeavons syndrome)は、特発性全般性てんかんに分類され、特に反射性発作を認めるのが特徴で、小児期に発症し、強い光過敏性がみられ、発作症状として全般性強直間代発作が生じることも特徴とする。

病気・治療解説

疫学

有病率は不明であるが、ジーボンス症候群は全ての特発性全般てんかん(idiophatic generalized epilepsy:IGE)の約7~8%を占めると考えられている。本症候群は男性より女性にわずかに多い。

臨床像

小児期に発症し、発症年齢は6~8歳時がピークである。眼瞼ミオクローヌスが最も特徴的な臨床的特徴であり、これは短時間(6秒未満)の欠神を伴うこともある。間欠的光刺激の中で目を閉じることが主な誘因となる。眼瞼ミオクローヌスが持続する重積状態が、全患者の最大5人に1人の割合で起こることが報告されており、まれではあるが自己誘発発作の発生も報告されている。全般性強直間代発作がほとんどの患者で起こるが、発作頻度は低い。精神発達は一般に正常であるが、一部の症例では軽度から中等度の知的障害が報告されている。

病因

病因は不明であるが、ジーボンス症候群は遺伝的に規定されているようである:報告症例の大半にIGEの家族歴があり、罹患している双子の症例も数例報告されている。

診断方法

眼瞼ミオクローヌスはこの疾患に特異的な発作型であり、この存在によりジーボンス症候群を強く示唆する。ビデオ脳波同時記録は、診断に必要な唯一の方法であり、閉眼時に両側広汎性脳波活動が認められる。ゆえに、欠神を伴うまたは伴わない眼瞼ミオクローヌスに光過敏を合併し、閉眼に誘発される脳波所見を認める患者では、ジーボンス症候群と明確に診断できる。

鑑別診断

鑑別診断として、特発性、潜因性、あるいは症候性てんかんの中で、眼瞼ミオクローヌス、あるいは閉眼による誘発を特徴とする他のてんかん(若年性ミオクロニーてんかん、若年性欠神てんかん、および特発性光過敏性後頭葉てんかん;これらの用語を参照)が考慮される場合もある。眼瞼ミオクローヌスが顔面のチックと誤診された症例も報告されている。

管理および治療

通常、ジーボンス症候群における発作は抗てんかん薬によく反応し、特にミオクロニー発作に効果のある薬剤(バルプロ酸、ベンゾジアゼピン系薬剤、レベチラセタム、およびゾニサミド)の効果は極めて高く、一般に良好な発作コントロールが得られる。ただし、多剤併用が必要になることが多く、中には薬剤抵抗性の症例もある。

予後

全般的な予後は良好であるが、ジーボンス症候群は一般に生涯にわたって持続する病態である。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Dr Pasquale STRIANO
日本語翻訳版の監訳
白石 秀明(難治性疾患政策研究班「稀少てんかんに関する調査研究」)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/Jeavonsshokogun_JP_ja_PRO_ORPHA139431.pdf
英語原文URL
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/OC_Exp.php?lng=EN&Expert=139431

最終更新日:2009年1月
翻訳日:2019年3月

本要約の翻訳は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金援助の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、診断(出生前診断・着床前診断を含む)・治療・遺伝カウンセリング等に関する内容が日本の現状と合っていない場合や国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

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