かんないたんかんげんしょうしょう肝内胆管減少症Non-syndromic paucity of intrahepatic bile duct
小児慢性疾患分類
- 疾患群12
- 慢性消化器疾患
- 大分類8
- 肝内胆汁うっ滞性疾患
- 細分類25
- 肝内胆管減少症
病気・治療解説
概念
肝内胆管減少症とは、肝生検で小葉間胆管の減少を認め、画像検査などで肝外胆管には閉鎖がないものをいう。肝外合併症をもつ症候性のAlagille症候群は除外する。特徴的な肝外病変のないものを「非症候性肝内胆管減少症」と呼ぶ。
疫学
稀。小児慢性特定疾患から推計し、診断されるものは10万人に1人。
病因
非症候性肝内胆管減少症の機序は不明。二次性とされる肝内胆管減少症には甲状腺機能低下症、汎下垂体機能低下症、先天性感染症(サイトメガロウイルス、風疹、B型肝炎ウイルス、梅毒)、染色体異常(21トリソミー、ターナー症候群)などがあるが、原因不明の症例が多い。
症状
乳児期に黄疸、皮膚掻痒感、肝腫大、白色便、体重増加不良などを認める。
診断
特異的顔貌、心血管奇形、後部胎生環、椎骨癒合不全等の肝外合併症をもつ症候性のAlagille症候群は除外する。
検査所見
肝生検で少なくとも5個以上の門脈域を検索し、小葉間胆管数/門脈数比が0.5以下(正常0.9-1.8)を示す。
治療
胆汁排泄を促すウルソデオキシコール酸、フェノバルビタール、痒みに対してコレスチラミンなどを用いる。脂肪吸収不全に対しては脂溶性ビタミン(ビタミンA, D, E, K,)の補充、MCTミルクなどを用いる。重症例では肝移植が必要となる。
予後
乳児期早期発症の特発性非症候性肝内胆管減少症は自然軽快する例も多い。予後不良例では肝移植が必要となる。
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
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