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新生児ヘモクロマトーシスNeonatal Hemochromatosis

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病気・治療解説

概要

新生児ヘモクロマトーシスとは出生後早期から肝機能異常を呈し、組織学的に肝臓および、膵臓や心臓などの網内系以外の諸臓器に鉄沈着を認める稀な疾患である。鉄代謝異常に起因し、常染色体劣性遺伝形式を示す遺伝性ヘモクロマトーシスとは病態が異なる。

疫学

本邦における本疾患の罹患頻度は不明である。海外における疫学調査の結果から、本症を発症した児と同一の母親から出生する同胞に高頻度に発症することが明らかにされている。父親が異なる場合でも母親が同一であれば高頻度に発症することや、発症した児が成人となり子を出産した場合でも生まれた子が同症を発症したとする報告がないことから、新生児ヘモクロマトーシスは遺伝性疾患ではないと考えられている。

病因

特徴的な発症パターンと、子宮内発育不全を認める症例が多いことや、出生時に既に肝硬変に至っている症例がいることから、本疾患は遺伝疾患ではなく母子同種免疫学的機序により胎児期から肝障害をきたすと推測されている。また、本疾患で認められる鉄沈着は、肝障害の原因ではなく、臓器障害の結果として生ずると考えられている。

症状

胎児期には流産や早産、子宮内発育不全、羊水減少が認められることが多い。出生した場合でも、生後早期から肝機能異常が認められ、胆汁うっ滞や浮腫、肝性昏睡などの肝不全徴候を呈する。

診断

診断基準は確立されていない。出生直後からの全身状態不良(呼吸・循環不全など)や、胎児発育遅延、胎児水腫、肝不全徴候などを認める症例で、MRIまたは口唇小唾液腺生検にて膵臓や心臓、唾液腺などの肝外組織に鉄沈着が証明され、感染症や代謝異常症などの他疾患が除外できた場合には本症例が強く示唆される。

検査所見

肝障害に伴う胆汁うっ滞、凝固能異常、低血糖、低アルブミン血症、血小板減少等が認められる。鉄動態については、血清フェリチン値(概ね800 mg/ml以上)およびトランスフェリン飽和率が高値を示すことが多いが、本疾患に特異的な所見ではない。αフェトプロテインは高値を示す(概ね100,000 mg/ml以上)。また、敗血症に類似した検査所見を呈する場合があるが、血液培養は陰性である。口唇小唾液腺生検やMRIにより、唾液腺や膵臓等の肝外組織への鉄沈着が認められる。

治療

内科的治療は、交換輸血、カクテル療法(抗酸化剤、鉄キレート剤)、免疫グロブリン大量療法(1g/kg)がこれまでに報告されている。内科治療が奏効しない場合には、肝移植の適応である。

予後

肝不全に至った症例の予後は不良である。救命できた症例の長期予後については明らかでないが、肝組織の正常化が得られたとする報告もある。一方で、肝障害が軽度の症例では無治療で軽快したとする報告もある。

最近の話題

新生児ヘモクロマトーシスは母を同一とする次子にも高率に発症するが、妊婦に対して妊娠14週以降に免疫グロブリンを継続的に投与することで発症を予防できたとする報告がある。新生児ヘモクロマトーシスを含めた母子同種免疫学的機序による肝障害をGALD(gestational alloimmune liver disease)として包括する概念が提唱されている。

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。