たはつせいないぶんぴつしゅようにがた (しっぷるしょうこうぐん)多発性内分泌腫瘍2型(シップル(Sipple)症候群)Multiple endocrine neoplasia type 2; MEN2 (Sipple syndrome)
小児慢性疾患分類
- 疾患群5
- 内分泌疾患
- 大分類39
- 多発性内分泌腫瘍
- 細分類85
- 多発性内分泌腫瘍2型(シップル(Sipple)症候群)
病気・治療解説
概要
甲状腺髄様癌、褐色細胞腫、副甲状腺腫瘍を中心として多発性に腫瘍を生じる疾患である。
疫学
30 万人あたり1人
病因
RET遺伝子(10q11.2)の変異により発症する。
症状
MEN2A、MEN2B、家族性甲状腺髄様癌(FMTC)に分類される。
MEN2A(90%):甲状腺髄様癌(95%)、褐色細胞腫(50%)、副甲状腺腺腫・過形成(20~30%)を合併する。卵巣腫瘍、皮膚アミロイド苔癬、Hirschsprung病を合併することがある。MEN2B(5%):甲状腺髄様癌(100%)、褐色細胞腫(50%)、口唇・舌粘膜神経腫、Marfan症候群様体型を認める。甲状腺髄様癌は悪性度が高い。副甲状腺腫瘍はまれである。FMTC(5%):家系内に4人以上の甲状腺髄様癌患者が集積し、褐色細胞腫、副甲状腺腫瘍を認めない。
治療
根本的な治療はない。ホルモン過剰状態に対する対処療法と、腫瘍摘出術である。悪性度の高い甲状腺髄様癌を発症するリスクの高いRET遺伝子異常を有する保因者では、予防的に甲状腺全摘出術が検討される。
予後
生命予後は、腫瘍(特に甲状腺髄様癌)の進行度に影響される。
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
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