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むこりぴどーしすにがた
ムコリピドーシスⅡ型(I-cell病)Mucolipidosis II

小児慢性疾患分類

疾患群8
先天性代謝異常
大分類6
ライソゾーム病
細分類95
ムコリピドーシスⅡ型(I-cell病)

病気・治療解説

概要

N-アセチルグルコサミン-1-リン酸基転移酵素(GNPT)活性欠損が本疾患の病因である。GNPTは、α2β2γ2の6つのサブユニットからなり、責任遺伝子はαおよびβサブユニットをコードするGNTPAB遺伝子およびγサブユニットをコードするGNPG遺伝子の2つである。酵素欠損によって,生成されたライソゾーム酵素群はライソゾームへのターゲティングに異常をきたし,細胞外マトリックスに分泌される。ライソゾーム酵素群が機能するためにはライソゾーム内の酸性環境が必要であるため,患者では,あらゆるライソゾーム酵素が細胞内で欠損することにより多様な基質がライソゾーム内に蓄積する。

疫学

10万~20万人に1人くらいと考えられている。

病因

ライソゾーム酵素群は,通常,酵素蛋白の糖鎖に付くマンノース-6-リン酸残基の存在によりライソゾーム膜上のマンノース-6-リン酸受容体によって認識され、ライソゾーム内に運ばれる。N-アセチルグルコサミン-1-リン酸基転移酵素(GNPT)活性欠損により、ライソゾーム酵素群はライソゾームに入ることができず、ほぼすべてのライソゾーム酵素活性が欠損する状態になる。このため、種々の糖脂質、糖タンパクがライソゾーム内に蓄積する。常染色体性劣性遺伝である。

症状

多くの臨床症状がHurler病(MPS I重症型)と共通するが,I-cell病ではムコ多糖尿はみられず,また発症は比較的早い。一部の患者は,出生時に異常な顔貌,頭蓋顔面異常,関節の可動制限,筋緊張低下などの明らかな臨床症状を示す。非免疫性胎児水腫が認められる場合がある。その他,重度の精神運動発達遅滞,異常な顔貌,後側弯や腰椎の突背などの骨格症状にて発症する。また先天性股関節脱臼,鼠径ヘルニア,歯肉腫大を示す場合もある。

診断

診断の手引き

治療

造血幹細胞移植の報告がある。頸髄圧迫症状に対しては、除圧術が行われる。

予後

生後1年以内に発症し、小児期早期に死亡する。

成人期以降

該当しない。

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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