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ゆうそうせいしょうてんほっさ
遊走性焦点発作migrating partial seizures

指定難病148

他に、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかんもあります。

遊走性焦点発作

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病気・治療解説

概要

けいれん発症までの発達が正常な生後6ヶ月未満(ほとんどは3ヵ月以内)の児におこるてんかん性脳症(頻発するてんかんのため知能障害や行動障害が起る状態)で、発作中に脳波の焦点(発作の出所)が反対側または同じ側の離れた部分に移動し、いろいろな部分発作症状を示し、後にあちこちからの発作がほぼ連続するようになるてんかんです。発作の焦点が移動するにつれて、眼球や頭部が一方を向く、まばたき、手や足、顔、唇、口元、眼がピクピクしたり固く突っ張る、口をもぐもぐ、呼吸を止める、顔を赤くする、よだれ、あるいは全身をがくがくさせるなどいろいろな発作に変化します。はじめは、呼吸を止める、唇が紫色になる、顔が赤くなるなどの症状が目立つことがありますが、からだをビクンとすることはほとんどありません。通常の抗てんかん薬やACTH療法、ビタミン剤、ケトン食などはほとんど効かず、臭化カリウムが最も効きます。それでも発作の抑制は極めて困難で、ほとんどが寝たきりの重症心身障害児となります。

罹患数

非常にまれな病気で、英国の全国調査では、年間発症率は出生100万人に2.6-5.5人、 有病率 は小児の100万人に1.1人という報告があります。わが国では、1997年~2014年までに、論文・学会・地方会・研究会で37例が報告されています。男女差はありません。

疫学

特にどんな人に多いということはありません。生後6ヶ月未満(ほとんどは3ヵ月以内)に起りますが、けいれんが起るまでは発達も正常で、発育も問題ありません。生まれつきの病気であり、あとから何かの原因が加わって起るのではありません。

原因

かつては原因不明とされていましたが、現在では患者の一部から遺伝子異常が見つかっており、最も頻度が高いのはKCNT1の異常です。

遺伝

上に述べましたように同胞発症が6家系12名にあり、いずれも 常染色体劣性遺伝 (父と母が異常な遺伝子を一つずつ持っていて、両方が合わさると病気を発症)とされていますので、同胞発症があり得ます。次の子を考える場合は両親と胎児の遺伝子検査が重要です。

症状

手足を小刻みに震わせる、ぴくぴく、あるいはつっぱる、がくがくさせる、まぶたのぴくつきや眼がぴくぴく、眼や頭を片方に向ける、口をぴくぴく、力がぬけるなどの体の一部の運動症状と、動作が止まる、ぼんやりあるいは意識がない、よだれ、などです。後には全身に広がってがくがくさせる発作もありますが、ほとんどの例ではじめからから2種類以上の発作を示します。はじめは呼吸を止める、顔色が青くなる・赤くなる。唇が紫などの症状が目立つことがあり、特に呼吸を止める発作ははじめでも半数で認められ、経過中には3/4で認められます。からだやその一部をびくんとさせる(スパスムや ミオクローヌス )ことを示すことははじめのころにはなく、経過中でもまれです。
発作は極めて頻繁になり、できていたことができなくなる精神運動退行や、小頭症、筋緊張低下がでてきます。
外国の報告ではけいれん重積はまれですが、わが国の例では群発型のけいれん重積がほとんどの例で認められ、けいれん重積ではじまる場合も多く見られます。

治療法

抗てんかん薬をはじめとする内科的治療が中心です。しかし、発作は難治で、通常、抗てんかん薬やビタミン剤(ビタミンB6など)、ACTH療法、ケトン食療法ではなかなか効果が得られないと言われています。臭化カリウムが有効であったとの報告が見られます。他の抗てんかん薬で有効だったという報告がわずかにありますが、いずれも効果は一時的です。

経過

発作 予後 、発達 予後 ともに極めて不良です。けいれんは極めて難治で、発症から数ヶ月以内に 認知機能 や有目的運動を失い、寝たきりの重度精神運動発達遅滞となり、小頭症と筋緊張低下がおこります。報告時点で欧米では25%、わが国では約10%が死亡しています。

患者さんに知って欲しいこと

重度の運動障害、知的障害となり、寝たきりで、経管栄養、日常生活全介助の重症心身障害児となり、しばしば呼吸障害を伴うので、これらへの対応が必要であり、また呼吸障害や肺炎などで亡くなりますので、その早期治療が必要です。

※ 難病情報センター(http://www.nanbyou.or.jp/)より、許可をいただき掲載しております。