あくせいこつきょさいぼうしゅ悪性骨巨細胞腫Malignancy in giant cell tumour of bone
小児慢性疾患分類
- 疾患群1
- 悪性新生物群
- 大分類5
- 固形腫瘍(中枢神経系腫瘍を除く。)
- 細分類39
- 悪性骨巨細胞腫
病気・治療解説
概念
骨巨細胞腫(giant cell tumor of bone:GCT of bone)は類円形の単核腫瘍細胞と散在する大型の破骨細胞様巨細胞からなる腫瘍と定義される.まれに骨巨細胞腫内に高悪性度肉腫が併存したり(一次性),以前典型的な骨巨細胞腫が存在した部位に高悪性度肉腫が発生する(二次性)ことがあり,悪性骨巨細胞腫と呼ばれる.悪性骨巨細胞腫の大部分は二次性であり,その多くは放射線治療後に発生したものである.2013年版のWHO分類では両者は“Malignancy in GCT”と総称された.
疫学
骨巨細胞腫は,2013年版のWHO分類では 良性と悪性の中間に位置する“Intermediate(locally aggressive,rarely metastasizing)”に分類されている.平成22年度の全国骨腫瘍登録一覧表では登録数は146例であり,良性骨腫瘍の13%である.悪性骨巨細胞腫の頻度は極めてまれであり,骨巨細胞腫の1%程度である.平成22年度の全国骨腫瘍登録一覧表では登録数は2例のみである.
骨巨細胞腫の好発年齢は20~40歳で,悪性骨巨細胞腫はこれより10歳ほど高い.
好発部位は骨巨細胞腫と同様で大腿骨遠位,脛骨近位である.
病因
病因は不明である.
症状
局所の疼痛や腫脹で発症するが,その他に特異的な症状はない.
血液検査では特に異常は認めない.
治療
治療は高悪性度肉腫に準じて,広範切除と補助化学療法を組み合わせた集学的治療を行うことが多いが,非常にまれな疾患であるため,確立された標準治療はない.
予後
広範切除と補助化学療法を組み合わせた集学的治療を行った場合,5年生存率は50%と報告されている.
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
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