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黄斑ジストロフィーmacular dystrophy

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黄斑ジストロフィー
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日本人網膜変性症の遺伝子診断ネットワークの構築2015・09・07

クローリングニュース

病気・治療解説

概要

眼球の奥には光を感知する神経のフィルムがあり、 網膜 (もうまく)と呼ばれています。さらに網膜の中心には 黄斑 (おうはん)と呼ばれる場所があり、良好な視力を得るために特に重要な役割をしています。黄斑部は非常に繊細な構造をしているために、多くの疾患が生じやすい部位でもあります。
黄斑ジストロフィーとは、遺伝学的な原因によって網膜の黄斑部がゆっくりと障害され、両眼の視力低下や視野異常を生じる病気の総称です(下図)。障害される視細胞の種類や関連する遺伝子によって、スタルガルト病、錐体杆体ジストロフィー、卵黄状黄斑ジストロフィー(ベスト病)、X連鎖性若年網膜分離症、オカルト黄斑ジストロフィー、中心性輪紋状網 脈絡膜 萎縮など、いくつかの代表疾患に分類されています。しかし実際には、上記の分類に入らない黄斑ジストロフィー(分類不能の黄斑ジストロフィー)も多く見られます。このような分類不能の黄斑ジストロフィーも、代表疾患と同様に厚生労働省の難病指定を受けることができます。


(図) 健常者の眼底写真(左)と、黄斑ジストロフィー(スタルガルト病)の眼底写真(右)。矢印で示された部分が黄斑部である。黄斑ジストロフィーでは黄斑部が障害されて、その色調が変化している。

罹患数

日本における正確な患者数は不明であり、これから厚生労働省の調査班によって調査が行われる予定です。

疫学

X連鎖性若年網膜分離症のように男性にしか発症しない疾患もありますが、一般的には発症しやすい体質等の傾向はありません。ただし家族や親戚に黄斑ジストロフィーの患者さんがいらっしゃる家系では、発症する確率が高くなることがあります。

原因

遺伝的な体質が原因で、黄斑部の機能や構造が障害されることによって発症します。特に、スタルガルト病、卵黄状黄斑ジストロフィー(ベスト病)、錐体杆体ジストロフィー、オカルト黄斑ジストロフィーなどでは、発症に関与する遺伝子が特定されています。

遺伝

遺伝子の異常が原因とされる疾患ですが、必ずしも子供に遺伝するとは限りません。卵黄状黄斑ジストロフィー(ベスト病)、オカルト黄斑ジストロフィーなどのように 常染色体優性遺伝 の疾患では子供に遺伝する可能性があります。ただしスタルガルト病のように 常染色体劣性遺伝 の疾患では、通常は子供に遺伝することはありません。またX連鎖性若年網膜分離症の場合は、子供が男性の場合は発症しませんが、子供が女性の場合はその女性の男児に発症する可能性があります。

症状

黄斑ジストロフィーには性質の異なる幾つかの疾患が含まれるため、タイプによって、また個人によっても症状は異なります。
一般的には、視力を保つために重要な黄斑部が障害されるため、視力低下(眼鏡をかけても視力が出ない)、中心視野異常(見ようと思う中心部がぼやける)等の症状が両眼にゆっくりと出現します。また、色覚異常や羞明(まぶしく感じる)等の症状も多く見られます。さらに、錐体杆体ジストロフィーやスタルガルト病のうち重症のタイプでは、視野障害が視界の周辺部まで広がることがあります。

治療法

黄斑ジストロフィーはもともと身体に備わった性質、すなわち遺伝子の異常による疾患であり、現在のところ根本的に治療する方法はありません。
なお、網膜の遺伝病のなかには、すでに遺伝子治療や薬物治療等が試験的に開始されている疾患もあります。将来的な話になりますが、今後の研究の進展によりこの病気を根本的に治す方法が見つかる可能性もあります。

経過

前述の6.のように、黄斑ジストロフィーの経過は疾患のタイプによって、また個人によって大きく異なります。一般的には、視力低下、視野異常等の症状は発症後ゆっくりと進行していきます。ただし、視力が極端に低下する場合もあれば、中高年以降まで読み書きができる程度の視力が残る場合もあります。
また、一般的に発症時期が若年であるほど症状は重く、遅いほど最終的な障害は軽度であることが多いと考えられています。

患者さんに知って欲しいこと

網膜はもともと光(とくに紫外線)に弱い組織ですので、長時間日差しの強いところに出る場合は、サングラス、つばの広い帽子などで目を守ることをお勧めします。
また、低下した視力を有効に活用するためには、眼鏡を正確に合わせるだけでなく、遮光眼鏡、ルーペ、タブレット型PC、 拡大読書器 などの補助具が必要になることもあります。眼科外来で自分の視力や視野を確認するとともに、学業や就労、職場での不自由さを軽減するために、ロービジョン外来や視覚障害者支援施設等でそれぞれの障害に合った支援を受けるようにします。

※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。