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こうとうきょうさく
喉頭狭窄laryngeal stenosis

小児慢性疾患分類

疾患群3
慢性呼吸器疾患
大分類1
気道狭窄
細分類1
気道狭窄(咽頭狭窄、喉頭狭窄、気管狭窄、気管軟化症、気管支狭窄症・軟化症)

病気・治療解説

概念

喉頭の狭窄症には様々なものが含まれるが、声帯周囲の病変が最も多い。その中でも声門下腔は小児の喉頭・気管の中で最も狭い部分を形成するため、狭窄症を来しやすい。

病因

・輪状軟骨の形成異常(主に過形成)による先天性声門下狭窄症が発生する。

・気管内挿管が原因となった、声門部の肉芽や声門下腔の瘢痕性狭窄(後天性声門下狭窄症)では、気管チューブを抜去すると呼吸困難が出現する、いわゆる抜去困難症となって現れる。

・極・超低出生体重児に積極的に人工呼吸管理が行われるようになった結果、気管内挿管の合併症としての声門下腔狭窄症の発症が問題となってきている。

・気管内チューブの長期間留置や、太すぎるチューブが使用されると、輪状軟骨部の粘膜、粘膜下組織が圧迫による阻血から壊死に陥り、瘢痕性狭窄を来すと推測されている。

疫学

・正確な症例数、発症頻度は明らかになっていない。

・小児の喉頭狭窄の80%以上が後天性声門下狭窄症、約20%が先天性声門下狭窄症とされている。
・新生児集中治療室(NICU)にて人工呼吸管理を受けた新生児に後天性声門下狭窄症が発症する頻度は1%未満とされている。

臨床症状

・先天性声門下腔狭窄症では出生直後から呼吸困難や呼吸障害(喘鳴、陥没呼吸)をきたす。吸気性の呼吸障害が主体で、胸骨上部の陥凹を認める。しばしば救命のため緊急的な気管内挿管や気管切開が必要となる。

・後天性声門下狭窄症では、救命のために気管内挿管が行われ、原疾患が治癒したにもかかわらず、気管チューブの抜去困難として認められる。

診断

・頚部の単純エックス線撮影(気道条件)、喉頭鏡(ファイバースコピー)、気管支鏡検査により診断される。

・最近では3-DCTでも診断が可能である。
治療 Management

・狭窄の程度が強い場合、窒息につながるため、気道確保の目的で一旦気管切開がおかれた上で保存的に治療される事が多い。

・声門下狭窄症の治療には喉頭気管形成術が行われる。輪状軟骨前方切開術や自家肋軟骨移植による形成術、Tチューブやステント留置による形成術が行われている。

・声門下の限局した膜様狭窄にはレーザーによる焼灼が有効なこともある。また、バルーンカテーテルによる拡張術も試みられている。

・いずれにせよ、気管切開を置いて適切な手術時期を待つ方が安全である。

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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