ふくじんひしつしげきほるもんたんどくけっそんしょう副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症Isolated ACTH deficiency
小児慢性疾患分類
- 疾患群5
- 内分泌疾患
- 大分類19
- 慢性副腎皮質機能低下症
- 細分類38
- 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症
病気・治療解説
概要
下垂体からのACTH分泌が、下垂体、視床下部あるいはさらに上位の中枢の問題により、障害されている状態を指す。慢性のACTH分泌不全では、副腎皮質は萎縮状となり、機能の低下を招くため、二次性副腎皮質機能低下症ともいう。
病因
成人では、自己免疫機序の関与が示唆されている。小児のACTH単独欠損症は稀であり、TPIT異常症(TBX19遺伝子異常)、およびPOMC遺伝子異常によるものが知られている
症状
続発性副腎不全の症状として、倦怠感、低血圧、食欲不振、低血糖や低ナトリウム血症による意識障害などを呈する。ミネラルコルチコイド欠乏症状は、原則として認めない。遺伝子異常による先天性の場合は、新生児期に痙攣を伴う重症低血糖と胆汁鬱滞を呈する。POMC遺伝子異常では、赤毛と高度の肥満も特徴的である
診断
血中ACTHおよびコルチゾールの基礎値は正常範囲とのオーバーラップがあるため、CRH負荷試験での低反応を確認する。副腎皮質が萎縮している場合は、ACTH負荷試験でコルチゾールの低反応を認める
治療
成人で、ヒドロコルチゾン15~20 mg/日を、均等に分2~分3投与、あるいは朝が多めとなるように投与する。肥満予防のため、成人では15 mg/日の維持量が推奨されている。小児では、10~25mg/m2を目安とする。感染症、発熱、外傷などのストレス時には服用量を2~3倍に増量し、麻酔を伴う大手術時には 10倍以上に増量する
予後
遺伝子異常による先天性の場合は、新生児期から的確に診断治療が行われれば、予後は一般に良好である
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
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